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電力会社の選び方1:スマートメーターを理解する

2016年4月に電力の自由化が始まり、携帯キャリアを選ぶようにご家庭の電力を供給する電力会社も供給地域内なら自由に選択できるようになりました。しかし、皆がすぐに電力会社を変更したり、家庭に合わせた料金プランに変更したりしているわけではないようです。

経済産業省が2016年10月に発表した調査報告『電力小売自由化に関する消費者選択行動アンケート調査結果』では、調査対象となった10,000サンプル(約30,000サンプルを回収した中から性別・年齢に合わせて10,000サンプルのデータを抽出)のうち、電力自由化が始まった2016年4月1日から、調査日の2016年9月6日~7日までの約半年の間に電力会社もしくは料金プランの変更を行った人はわずか9.8%にとどまったことが分かっています。

このアンケートでは、電力会社・料金プラン非変更者のうち、約30%近くが比較検討は行っているが変更までには至っていないということで、一定の関心度があることが伺えます。電力自由化について「まったく聞いたことがない」と答えた人は、非変更の人の中でもわずか10.2%ですし、非変更の人の27.2%は料金プランや他の電力会社との比較検討を実際に行い、プランや電力会社を変更しないことを選択しているのです。

またこのアンケートでは、料金プランや電力会社を変更していない理由として、「変更することのメリットがよくわからない」ことを挙げた人が44.0%いました。ということは、どのようなメリットがあるのか具体的に分かれば変更してみたい、と考える人は少なくないということも同時に分かっています。

今回は「電力会社の選び方」と題し、電力会社や料金プランを見直す際に必要な「スマートメーター」とは何か、また、「スマートメーター」でどのように電力会社や料金プランを見直すことができるのか、電気料金以外にどのようなポイントで電力会社を選ぶことができるのか、について4回に渡ってご紹介していこうと思います。電力自由化による恩恵が受けられるよう、ぜひ順を追ってご一読下さい。
出典:電力小売自由化に関する消費者選択行動アンケート調査結果

 

「スマートメーター」とは

「スマートメーター」とは、通信機能を搭載し、遠隔での自動検針が可能な電気メーターです。身近なモノにインターネットを搭載したIoTが増えていますが、スマートメーターもこのIoTの1つなのです。

従来の検針は1ヶ月に1度のペースで実施されていましたが、スマートメーターなら日々30分に1度の間隔で自動検針ができますので、専門の係員が各家庭を訪問する必要がなくなります。インターネット上で、自分の家ではどの時間帯に電気が多く使われているのか、季節によってどのような傾向があるのか等の情報が、電気を利用する各個人でチェックすることもできるようになります。スマートメーターは、今後家庭における「電気の見える化」に欠かせないアイテムとなるでしょう。

電気の見える化で節約ポイントが明確に!

今までの月一回の検針では、「今月はたくさん使ったなあ」「今月は長期旅行に行っていたから、思ったよりも電気代が安いな」など、月単位の集計結果を把握することはできましたが、何月何日のどの時間帯にどれくらい使ったのかなど、より詳しい使用状況を知ることはできませんでした。

しかし、スマートメーターを導入することで、電気の使用状況が30分ごとのリアルタイムで分かるようになると、例えば「朝8時に電気使用がピークを迎えるのは、電子レンジとIHクッキングヒーター、食器洗い機を同時に使っているからではないだろうか?IHクッキングヒーターと電子レンジは朝食作りには不可欠だから、食器洗い機は使用しないように早起きしてみよう!」といった風に、どの時間帯で電力使用が多く発生していて、どうすれば節電できるかがより具体的に分かるようになります。

その他にも、誰も家にいない日中でも電力消費が多いというご家庭なら、待機電力が総電力アップに大きく関わってしまっているのでは…?!といった風に分析することができ、でかける前にコンセントを抜くことで、節電と電気代節約を叶えることができるでしょう。

参考:暮らしを豊かにする電力サービス、IoTがもたらす新電力事業の新たな可能性

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