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IBMが注目するブロックチェーンとは何か

(※オレンジ色の機器が取引データを持っている。ブロックチェーンには取引データを処理する中央機構は存在せず、複製を分散させお互いを監視することで公正なネットワークを構築している)

最近ブロックチェーンという言葉が話題になっています。これは中央機構の無い分散型のネットワークであり、仮想通貨ビットコインの開発により世に広まった概念です。「ここ数年で最も重要な技術革新」といわれるブロックチェーン、実はIoTにも利用できるのではないかといわれており、IBMもその技術に注目しています。

 

ブロックチェーンとは

ブロックチェーンはネットワークの一種であり、複数個所に過去の取引情報をまとめたブロックと呼ばれるデータを置くことで成立します。複数個所にデータが置かれているため、例えば利用者の一人が取引データを改ざんしても他の場所のデータとの照合により不整合を検知できるため、取引されるデータの信頼性が高いとされています。またこれまでのネットワークでは1か所にデータを置き、高度なセキュリティをかけるのが一般的でした。これに対しブロックチェーンではデータを複数個所に置き、お互いに監視させる仕組みになっています。そのため、高度なセキュリティを構築するためのコストがかからず、更にデータを一括管理しないため、ネットワークの一部が破損し、そこのデータが完全に消滅しても他の場所のデータから復元が可能となっており、安価で保守性の高いネットワークと言われています。(勿論、完璧なネットワークというわけではなく、複数個所でデータを管理しなければならないため、必要な処理リソースが多かったり、ウィルスやマルウェアを拡散させてしまう温床となってしまう危険性が指摘されています。)

本来はビットコインの取引の為に考案されたブロックチェーンですが、データの保全性、信頼性が高いためIoTにも適していると考えられています。それぞれのデバイスがブロックを持ち、お互いに監視しながら通信することで信頼性が高く、保全にコストがかからないIoTネットワークが構築されます。このネットワークはIBMが理想とするIoTの未来(デバイスデモクラシー)に至るまでの問題点の解決法の1つだと考えられています。

「3.将来にわたり使用される」と 「4.価値ある機能が欠けている」はどちらかというとネットワーク上に構築されるサービスの問題ですが、残りの3つは安価で公正かつ保守性の高いブロックチェーンの特性で解決できる部分だと思います。

まだBluemixやSoftLayerでブロックチェーンがAPIなどで実装されるという情報はありませんがIBMはブロックチェーンの一種であるADEPTをサムスンとのIoTに関する提携で使用することを発表しており(下記リンク参照)、今後ブロックチェーンを推してくる可能性は十分にあると思います。その時に利点や欠点も含めて正確に理解し活用できるように知識や技術を仕入れておきたいと感じました。
http://btcnews.jp/iot-evolution-adept-is-truly-killer-apps-by-ibm/