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クラウドサービスにもデメリットがある~メリットと比べたいデメリット

クラウドサービスに限らず、何かのサービスを導入することを検討するときに、必ず行わなければいけないことがあります。
それが、「メリットとデメリットの比較」です。
メリットだけを見ていては、それが持つデメリットに気づくことができません。そのため、結果として、選択を誤ってしまうことがあります。誤った選択をすると、お金も、時間も、人手もロスする可能性があります
そこでここでは、あえて、「クラウドサービスにはどのようなデメリットがあるのか」ということを考えていこうと思います。

専用サーバーとの比較でみる、クラウドサービスのデメリット

クラウドサービスは、負荷・運用コストがかかりにくく、利用しやすいというメリットがあります。また、自分たちでシステムを構築する必要がないため、管理も容易であり、時間もかかりません。
しかしクラウドサービスの場合、「サーバーを自分たちだけで確保できる」というわけではありませんから、クラウドサービスを利用するほかの利用者によって、なにがしかの影響を受ける可能性があります。イードス(EDoS)攻撃はそれの最たるものです。サーバーを共有する他の利用者への攻撃であっても、それが自社にも影響を及ぼしかねません。
また、クラウドサービスは、「外部からサービスを供給してもらう」というスタイルであるため、自分たちでシステムを作るときに比べると、自由度が低い点もマイナスポイントのうちの一つでしょう。


クラウドサービスは、自分たちに専門的な知識がなくても、ある程度は扱うことができます。これはクラウドサービスの大きな魅力のうちの一つでもあるのですが、同時に、「もし何かの問題が起こった時、それが何によって、どのタイミングで、なぜ起こったトラブルなのか」ということがわかりにくい、というデメリットもあります。とりかかりやすい分(担当者のリテラシーにもよるものの)、問題点の把握が難しいということは、多くの企業にとって悩みどころになりえると言えます。
さらに、クラウドサービスは、必ずしも日本国内にデータセンターがあるとは限りません。そのため、そのデータサーバーがある国の法律や治安によって、データの流出や破壊のリスクがあるのです。

クラウドサービス、向かない業種はどのようなものか?

クラウドサービスに向く業種があるのと同時に、クラウドサービスに向かない業種というのも存在します。
容量での課金や制限などふまえると、非常に膨大な容量を必要とするビジネスにおいて、クラウドサービスはやや不向きである、と言えます。また、同時に、回線を多く必要とする業種も、前述の「ほかからの影響を受けやすい」というデメリットをはらむクラウドサービスには向いていないと言えるでしょう。
セキュリティコストを度外視すれば、クラウドサービスはセキュリティの面で専有サーバーに劣る可能性もあります。もちろんそれぞれ対策はとっていますが、極めて重要な個人情報などを扱うという場合で徹底的にセキュリティコストをかけられるなら、専用サーバーの方が勧められるケースもあるでしょう。
クラウドサービスは、「新人研修の間だけ」「1か月など、時間的制約があるなかで使うこと」に対しては、導入および運用コスト面で非常に強い力を発揮します。しかしながら、使う期間が長くなり、恒常的に使用する、という場合であるなら、専用サーバーを利用した方が安くあがるケースが多いのも事実です。
さらに、クラウドサービスは、「微に入り、細に入り、その人(会社)にぴったりのシステムを開発する」ということはなかなか難しいという欠点もあります。このため、細かい指定をしたい、というケースでは、専有サーバーの方がむいていることもあります。また、クラウド側で用意されている様々なサービスの取捨選択に頭を悩ませることもあるでしょう。
このような違いから言えるのは、「クラウドサービスが、専有サーバーに比べて著しく優れている」だとか、「専有サーバーはクラウドサービスの上位互換のサービスである」というようなことはない、ということです。
現状では、どちらがより優れている、どちらがより劣っているということはなく、それぞれの「使いどころ」によって、その有用性は決まる、と考えた方がよいでしょう。