Loading...

クラウド新時代到来!なぜ今IoTとの関係が注目されているのか?

クラウド元年」と呼ばれた2010年から早5年、今では多くの一般企業や個人が縦横無尽にクラウドを活用しています。ITに明るくない人の中には、「自分がクラウドを利用している」ということにすら無自覚なまま活用している人も多いことでしょう。こうした現象は、まさしくクラウドがインフラとして既に定着したことを証明しているといえます。

そんなクラウドの次なる進化のステップとして、2014年頃から大きな注目を浴びているキーワードが「IoT」です。IoTとクラウドが連携することで、ITインフラは今後どのような発展を見せていくのでしょうか?

■IoTの理念に技術が追いついた

まずはIoTの定義をおさらいしておきましょう。IoTとは、「Internet of Things(=モノのインターネット)」の略。ありとあらゆるモノをインターネットに接続することで、新しい価値を生み出そうという発想のことです。
この発想自体は、実はさほど目新しいものではありません。かつてのユビキタスコンピューティングが一例で、自動車やカメラ、多くの家電などをネットワークに繋げようという動きは1990年代末から盛んにありました。ようやくインターネットが一般に普及しはじめた時代だからこそ、無限の可能性が考えられていたのです。

ところが当時のネットワーク・インフラは、理想とは程遠いものでしかありませんでした。携帯電話による通信は低速でしたし、Wi-Fi環境も整備が不十分。おまけに当時のインターネットは基本的に従量課金制でしたから、テキストや静止画のような小さな容量のデータを送受信するだけでも精一杯でした。IoTを具現化したところで、そのポテンシャルを活かせるだけのインフラが存在していなかったわけです。
ブロードバンドが普及することによってようやくIoTがその真価を発揮するようになってきましたが、いわばその意味では、クラウドはIoTの最後のピースだったといえるでしょう。

■キーワードは「集合知」

クラウドと融合することによって、IoTは単なる「モノとモノとの相互連携」以上の価値を持つようになります。クラウドの利点は、大容量かつ安価だということ。つまり、送受信されたデータを膨大に蓄積することができるというわけです。
そしてデータを蓄積・保管し、それを大規模に解析することで、さらに多種多様な情報がクラウドには集積されていきます。個々のデータが単純なものであったとしても、データ同士を総当たりでマッチングすれば、そこから得られる解析情報はとてつもなく巨大なものとなります。ひとつデータが増えるごと、クラウド内の統計情報は加速度的に深化していくのです。まさしく「集合知」の体現です。
そうした解析されたビッグデータをモノへとフィードバックすれば、クラウド時代以前には想像もつかなかったような新たな価値が次々と生まれてきます。これは、IoTだけでもクラウドだけでも実現できません。両者が融合することによって、はじめて価値を生むプラットフォームが作り上げられたのです。

■IoT×クラウドはあらゆる領域のビジネスモデルを変える

従来はIoTというと、医療業界や家電業界といった領域だけに関係するタームだというイメージもありました。しかしここまで説明してきたように、あらゆるモノから得られたデータをフィードバックできる環境が整えば、もはやIoTと無関係の領域はなくなるでしょう。
農業も林業も小売業もサービス業も、ビッグデータの活用によってより便利で効率的な業務を行うことができるようになるはずです。
クラウド側はすでに、AWSやSoftLayerといったプラットフォームが確立され、ユーザーが増えつつあります。今後ここにどのようなIoTデバイスが加わっていくのか。デバイス次第では、まだ誰も想像していないようなビジネスモデルが次々と生まれていく可能性もあるでしょう。