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注目度急上昇中!ディープラーニング、RNNの実力とは

ディープラーニング技術の中でも最近注目度上昇中なのがRNN(再帰型ニューラルネットワーク)。文書解析に適しており、自然言語処理で成果をあげています。ディープラーニングの進化を振り返りながら、今後RNNに期待したいことを見ていきましょう。

ディープラーニングのこれまでの進化

ディープラーニングは次のような流れで実用化されてきました。
音声認識

画像認識

自然言語処理

音声認識では人間の音声から文字に変換する技術が誕生し、Windows Vistaから音声認識機能が搭載されるようになりました。ディープラーニングが適用されることによって1995年に誤り率が43%だったところを2004年には15%にまで下がり、2016年にはマイクロソフトがディープラーニングのトレーニングを高速化させたことで世界最高レベルの6.3%まで精度を高めたことを発表しました。
マイクロソフトが世界最高レベルの音声認識技術、単語認識誤り率6.3%を達成

さらに、画像や動画を分析してパターンに基づいて文字や顔などを識別する画像認識技術が発展していきます。2016年には信州大学で、被災地で作業するロボットから送られた映像から、捜索や救助活動に有効な情報を取得することに成功しました。「畳み込み自己符号化器」と呼ばれるニューラルネットワークの開発と「表現ずらし」という学習処理の効率化によって、瓦礫や建材の状態から崩れやすい場所や滑りやすい場所を判別することができます。

ディープラーニングは新たなステージへ

このように音声認識や画像認識が実用化されてくることで、さまざまな企業がディープラーニングに莫大な投資をするようになり、ディープラーニングは自然言語処理という新たなステージを迎えます。

  • 自然言語処理の研究が活発化した理由とは

自然言語処理の研究が活発化したのには2つの理由があります。
ひとつはビッグデータの活用が進んできたことです。膨大な文献からソーシャルネットワークでのやりとりまで、ありとあらゆるデータがアクセスできるようになったことで、ディープラーニングで学習する元ネタが加速度的に増えており、ディープラーニングの進化を助けています。もうひとつの理由は音声認識の精度が向上したことです。人と対話できるアプリが普及し、より自然なコミュニケーションへのニーズが高まっています。

  • 自然言語処理の課題とは

自然言語処理の課題は東北大学の乾健太郎教授によると、「あいまいな表現」「省略・行間を読ませる表現」「同義語の表現」の3つに大別されます。特に日本語は省略や同義語が多用されるため、さらに難易度が高くなるといわれています。

ディープラーニングをさらに飛躍させるRNNとは

ディープラーニングは、一般に独立した最小の計算単位ニューロンという単位をつなげたネットワーク(NN)を何層にも構成する「多層のニューラルネットワーク」を指します。ニューラルネットワークのバリエーションとして画像認識の飛躍的な進化に貢献した畳み込みニューラルネットワーク (CNN)のほかに自然言語処理の進展に貢献している再帰型ニューラルネットワーク(RNN)などがあり、そのほかにも多様なxNNが開発されています。
RNNは過去に計算した中間の結果を記憶しておけるため時系列の処理ができます。文章を単語に分けた場合に、時系列に順々に表れた複数の単語から次にくる単語を推測できるようになります。
「私 は 鶏肉」
という単語がきたときに次に続く単語は
「が(好きです)」「は(好きです)」「も(好きです)」というような候補が考えられます。再帰型でないニューラルネットワークの場合は、直前の単語「鶏肉」に続く単語の推測しかできず、「私は」は考慮に入りません。
一方で再帰型の場合は、「私は」まで再帰して解釈するため、「が」がもっとも適切だという判断ができます。
このことによって、同義語や省略を推測することができるようになることが期待されています。
Recurrent Neural Networkとは何か、他のニューラルネットワークと何が違うのか

自然言語処理が進化すれば、機械と人間とのコミュニケーションが深まることが考えられますが、それ以上に言葉の壁がある世界中の人々とのコミュニケーションが深まるのではないでしょうか。今まででは考えられないほどの人々の考えに触れることで、AIが進化する以上に人間の進化も期待したいところです。

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