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キテレツ大百科の発明道具ですでに実現されているアイテム12選

画像引用:キテレツ大百科(C)フジテレビジョン

世界を代表するような起業家がオススメ書籍にSF小説を挙げているのを見ると、新しい世界を作っていく人たちは、まだ世の中に生まれていないものを描いた作品を見て、そこからインスピレーションや新たな着想を得ているようです。

そこで今回は私たちの身近にある、アニメに登場する未来の道具に注目してみました。前回のドラえもんに続き、キテレツ大百科の発明道具から、すでに実現されていると言っても良い道具を探したところ12アイテム見つけることができましたので紹介させていただきます。

まだ実験段階で商品化にいたっていないものや、完成度が十分でないものも含まれていますが、当時の存在しなかったものを描いた発明道具が、実際にどのように実現されてどのような形になっているのか、その進化の過程と、最新のテクノロジーの状況をお楽しみいただけると嬉しいです。

 

1. 隠れ蓑(かくれみの)


着用することによって、姿を見えなくすることができる蓑。蓑に特殊な粉を練り込んで作る。普通の服でも出来るかは不明。キテレツはどうやら生まれた雛の観察などに利用するつもりでいたらしい。
(キテレツ大百科 発明品リストより引用 http://usi.fc2web.com/inv/

実現されたもの:透明人間スーツ
画像出典:カラパイヤ http://karapaia.livedoor.biz/archives/52191771.html

画像出典:カラパイヤ http://karapaia.livedoor.biz/archives/52191771.html

米軍が透明人間スーツの実現に向けて動いており、いくつかの企業とプロトタイプの開発に向けて動いています。周囲の環境にあわせて色やパターンを調整するようなカメレオンタイプのものを検討しています。

理論上は装着している物体周辺の光を屈折させることにより、見えなくすることできるようですが、特定の条件の元でしか成功していないとも言われています。2015年の5月の段階で1年以内の開発を目指すという報道がありましたので、もうそろそろ、プロトタイプは実現されている可能性があります。

 

2. 唐倶利武者(カラクリムシャ)

キテレツがブタゴリラをこらしめる為に作った武者ロボット。テレビ型のコントロールで遠隔操作が可能。刀や鎧といったものに反応し威嚇、攻撃するのだが、バトン等の棒方にも反応する。(キテレツ大百科 発明品リストより引用)

実現されたもの:ロボット兵器
画像出典:Wikipedia  https://ja.wikipedia.org/wiki/X-47

無人機が本格的に導入されたのがアメリカでのテロとの戦いからと言われています。地上部隊を送り込むことが困難な場所を無人のドローンなどが飛行して、攻撃を行ったそうです。
また、最新の自律型無人機「X−47B」では、人の遠隔操作ではなく、コンピューターで自動制御されています。熟練したパイロットでさえも極めて難しいといわれる、空母への着艦も成功しています。

将来的には他の機体と連携して偵察や攻撃の任務を行うことが想定されています。その他4足歩行でどんな足場の悪いところでもすすむ荷物運搬用のロボットや、ハチドリを見本にして作られた小型の偵察ロボットなども開発されており、自立型ロボットの研究が進んでいます。ロボット兵器が自らの判断でアクションを起こす日は遠くないかもしれません。

 

3. きき耳ずきん(ききみみずきん)


キテレツが作った発明品。ずきんに大きなヘッドホーンがついた頭巾の形をしている。キテレツ曰く「動物が喋るとき、動物の脳には弱い電流が流れて脳波が放射されるんだ。きき耳ずきんはその脳波をキャッチしてその意味を分析し、人間の言葉に翻訳する。つまり動物と話しができるって装置なんだ。」(キテレツ大百科 発明品リストより引用)

実現されたもの:実現されたもの:INUPATHY(イヌパシー)
画像出典:http://inupathy.com/jp/

愛犬専用のウェアラブルデバイスで、装着すると心拍データから、「ドキドキ/リラックス」「喜び」「集中」という感情パターンを取得。「興奮(EXI)」「喜び(FUN)」の度合いを0~100の間で数値として表示します。細かな感情の変化がアプリを見るだけですぐに、数字情報として確認することができます。

また近年ではペットを愛する人向けの、Whistle 、FitBark、Wonderwoofなどのデバイスが注目されています。どれも犬の首輪に取り付けられるタイプのアクティビティーモニターで、現在の状況を犬種や年齢、体重ごと計算された数値と比較してモニタリングが可能です。

4.瓦版小僧(かわらばんこぞう)

21世紀のお掃除ロボットを彷彿とさせるデザインで、郵便ポストを潰したような形をしている。みよちゃんが学級新聞のネタ切れに困って、キテレツに相談したところキテレツはこれを作成した。キテレツ曰く「これは潜望鏡や小型マイクが内部に仕込んであって、こっそりニュースを記憶しておく機械でね。そして記憶した事柄をスクリーンの文字盤に移して記事にするんだ。まぁ、新聞記者ロボットってわけさ。」(キテレツ大百科 発明品リストより引用)

実現されたもの:人口知能(AI)記者

アメリアの大手メディアAP通信は、すでにAIを活用した企業決算の記事を年間1万2000本も量産しています。金融機関でも顧客向けリポートをAIが執筆し始めています。

米ベンチャー企業「オートメーテッド・インサイツ」のAIが昨年1年間で作成した記事・リポートは10億本だそうです。1秒間に2000本の執筆が可能といいます。言語の壁はなく、AIに大量のビッグデータを取り込み、言語の法則やパターンを認識させれば対応できるそうです。

数年以内に日本のメディアにも広がっているでしょう。なぜという分析はいまのところ出来ないようなので、そこで人間の記者とのすみ分けをしていくことになりそうです。

5. 濡れ衣(ぬれぎぬ)

ランドセル泥棒扱いされたコロ助の無実を証明するために、キテレツが発明したもの。キテレツ曰く「この衣服を羽織って嘘をつくと汗や体温なんかで赤くなるんだよ」 (キテレツ大百科 発明品リストより引用)

実現されたもの:うそ発見器

うそ発見器は、バラエティー番組などでもすっかりおなじみになりましたね。
現在の嘘発見器の正確度は90%以上あると言う説もありますが、検査方法や機械もまだ完全とは言えません。

このため国内の裁判所は、ポリグラフ検査の結果が証拠として採用されることは限定的で、決定的な証拠にはならないそうです。

6. 粘土水(ねんどすい)

ホースから水が透明な粘土のようになって出てくるもの。キテレツ曰く「水の性質は知ってるだろう?0℃以下では固体になり、0℃以上では液体になる。100℃以上では気体になってしまう。奇天烈斎様は考えた。温度と関係なく水の姿を変えられないだろうか?水と氷の中間の形、つまり粘土のように。」(キテレツ大百科 発明品リストより引用)

実現されたもの:持ち運べる水 Ooho!
画像出典:http://www.psfk.com/2015/03/blod-water-ooho-skipping-rocks-lab.html

ロンドンにある芸術大学大学院、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートに通う3人の生徒によって製作された持ち運べる水です。プラスチック製の容器を減らす目的で考えられたのだそう。2014年レクサスデザイン賞を受賞しています。噛んだり、そのまま飲み込んで飲んでも大丈夫だそうです。塩化カルシウムと海藻があれば手軽に作れるらしく、丸いプラスチックの型を使えば誰でもつくれるようです。

 

7. 飛脚足袋(ひきゃくたび)

町内対抗運動会でかけっこで必ず一等賞になる為にキテレツが作ったもの。一足の靴と附属の小さな磁石のセットで出来ている。(キテレツ大百科 発明品リストより引用)

実現されたもの:ロボットブーツ
画像出典:http://mikeshouts.com/tag/keahi-seymour/

発明家のKeahi Seymour氏が、ダチョウに魅せられて作った時速40kmで走れるブーツです。10代のころ時速70kmで走れるシューズを開発することを決心して何十台もの試作を重ねてきたそうです。早く走れそうですが、運動会でこれを履いたら確実に怒られますね。
http://www.lifehacker.jp/2014/11/141102bionic_boots.html

 

8. 歩足尺(ほそくしゃく)

キテレツがマラトンからアテネまでの距離を測定するために作った発明品。キテレツ曰く「ほそくしゃくといってね、スタート地点にこの特殊な磁石を生めておくと、歩いた歩数と歩幅から正確な距離を表してくれるんだ。」(キテレツ大百科 発明品リストより引用)

実現されたもの:ウェラブルデバイス

歩いた歩数や距離だけでなく、脈拍数、消費カロリーなども簡単に計測してデータ化できる時代になりました。

 

9. ボタン灯(ボタンとう)

これは窓につるしておくと、ボタン灯から幽霊が出てくるというもの。ブタゴリラは女の幽霊を見て失神してしまった。(キテレツ大百科 発明品リストより引用)

実現されたもの:Ghostly Apparitions
画像出典:http://atmosfx.com/blogs/community/44960708-creating-the-perfect-materializing-ghost-effect

これは「Ghostly Apparitions – Holographic Effect In Doorway」という幽霊ホログラムを作り出せてしまうというお化けキットです。半透明のメッシュ生地に幽霊DVDの映像を移しています。動画を是非ご覧ください。自分の家でこれをやられたら絶叫すること確実でしょう。

 

10. 夢幻灯(むげんとう)

夢や幻を映す機械、現代でいうビデオカメラに近いもの。しかしビデオカメラとは違うのは合成が可能であり、撮ってすぐにスクリーンに映し出すことできるという事。(キテレツ大百科 発明品リストより引用)

実現されたもの:Action Movie FX
画像出典:http://www.starwarsnewsnet.com/2015/11/action-movie-fx-star-wars-announcement-trailer.html

アメリカの番組制作会社が作成した、iPhoneで撮影した動画に映画特殊効果を合成出来るアプリです。爆破シーンとカークラッシュなどのFXシーンを撮影することができます。撮影してその場で合成できる点が面白いですね。

動画に「ミサイル攻撃」や「車の激突」等を追加できるiPhoneアプリ 

 

11. わすれん帽(わすれんぼう)

友紀と喧嘩した勉三さんに「友紀さんのことをきっぱり忘れられる道具を作って欲しい」といわれて作ったのが、このわすれん帽。本体は円錐の形をしており、乾電池のような赤い付属シリンダーとセットになっている。本体に付属シリンダーをセットして、対象物の頭の上に置く。するとその時に思い浮かべた記憶をシリンダーが取り込んでしまう仕組みだ。(キテレツ大百科 発明品リストより引用)

実現されたもの:記憶を可視化・消去する技術

東京大学は昨年の9月に貯蔵された記憶を可視化・消去する技術を開発したと発表しました。今回の研究では、新生・増大したスパインを特異的に標識し、青色光を照射することで標識されたスパインを小さくする人工遺伝子(記憶プローブ)を開発。

この記憶プローブを導入したマウスを用いた実験では、大脳皮質に青色レーザーを照射することで、運動学習によって獲得された記憶が特的に消去されたことが確認されたそうです。まだ実験段階ですが、マウスではすでに記憶を消去する実験に成功しているという事実があり、紹介させていただきました。

 

12. 雨よけコントローラーと発信機

キテレツは奇天烈大百科に載っていた「雨の呼び笛」を改良して、この雨よけコントローラーを発明した。キテレツ曰く「奇天烈斎様は特殊イオン波を普通の雲に向かって発信することで、周辺の水分を吸収して雨雲にする事に成功したんだよ。発信するイオン波の位相を逆転すれば、水分を発散して雨を降らせないように出来るんだよ」(キテレツ大百科 発明品リストより引用)

実現されたもの:人工降雨

雲粒が集まって雨粒として落下するということは、雨雲が雨になるということで、雨が降ってしまえば、雨雲は消えます。つまり、特定の場所に、特定の時間に雨を降らせたくなければ、雨雲がその場所に近づく前に雨を降らせて、雲を消してしまえばいいのです。この方法で「晴れ」を作り出したのが、北京オリンピックの開会式です。

天気予報では当日夜の北京市内の天気予報は「雷雨」でした。そこで、中国当局は、開会式の数時間前に北京市内や周辺都市から合計1000発以上のロケットを雨雲に打ち込み、ヨウ化銀を散布して北京市周辺で雨を降らせる「人工消雨」作戦を実施しました。その結果、開会式の時間帯の北京市内は見事に晴れたのです。
(テクマガより引用:http://www.tdk.co.jp/techmag/knowledge/200809u/index2.htm

こうしてキテレツ大百科の発明道具から、すでに実現されていると言っても良い道具を探して見ていくと、現在のテクノロジーはどの分野が進んでいて、まだ発展途上の部分はどこなのか、どんなことが課題になっているかが見えてくるような気がします。何か新しいアイデアの企画に詰まったら皆さんも漫画で出てくる道具で実現できているものと、まだできていないものを探してみてください。そこで何か新しいヒントが見つかるかもしれません。