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銀行、証券、保険などの金融業界では、金融とITを融合したFinTechソリューションが次々と登場しています。その中でも注目されているのがIBM Watson(以下、Watson)によるコグニティブ関連のサービス。ロボットによる窓口業務、コールセンター支援、行内照会業務、融資や投資支援サービスなど、さまざまな業務にコグニティブ技術が本格的に採用され始めています。

保険金支払審査にWatsonの助けを

例えば、保険会社の保険金支払審査。Watsonのコグニティブ技術は、蓄積された過去の膨大なデータを遡り、機械学習を行います。そして、推論し、最適な回答候補を導きだします。保険金支払審査定業務には、担当者の長年の経験と習熟に依存するという側面があります。当然、難易度が高い案件は経験豊富な社員しか扱えない場合が多く、結果、その処理ペースは1日数件ほどといった状況です。また、査定を行う場合、約款や規程といった保険会社内のルールに留まらず、医療機関の慣習や過去の判例など、さまざまな要素を総合的に勘案する必要がありました。

現在、この保険金支払審査業務にWatsonの力を取り入れるソリューションが、国内保険会社数社で導入済み、あるいは準備中という段階にあります。すでに導入した企業では、保険金支払審査業務の中でも特に難易度が高い領域で、Watsonを活用するという試みを行っているようです。Watsonを難易度の高い、厄介な領域に導入することで、担当者が習熟するまでに必要だった長い時間を短縮することができ、審査時間も短縮し、対応できる案件数が増える結果、お客様へのサービスが向上していくことが期待されています。

Watsonのシステムに必要となる柔軟性とセキュリティをベアメタルで

金融業界の業務システムはセンシティブな情報を扱うため、オンプレミス環境が常識だとされてきました。しかし、コグニティブ技術は常に進化し、新しいAPIが続々と提供される状況下にあり、オンプレミス環境にモノリシックなシステムを構築することは、新しい時代に対応しきれずに遅れをとることを意味します。また、Watsonの適用分野についても将来は変わったり、増えたり減ったりしていく可能性もあります。
このように、開発から本番そして運用開始後の次の展開へとリソースの規模や性能要件に大きな柔軟性が求められるのがWatsonのシステムの特徴の一つと言えます。そして、そのようなニーズの変化に柔軟に対応できるのがクラウドなのです。

ただ、クラウドを活用するとしても、仮想サーバーを用いるパブリック・クラウド(マルチ・テナント)上で本番サービスを稼働させることは、センシティブな情報を扱う金融機関としてやはり懸念があるようです。そこで注目されるのが、IBM Cloud のベアメタル・サーバー。ベアメタル・サーバーであれば、サーバーを専有(シングル・テナント)できるので、プライベート・クラウドと同様のセキュリティー・レベルとシステムのコントロールを担保できます。そして、一般的なクラウドと同様に、リソースの拡張には柔軟に対応することができます。Watsonの適用がある分野でうまくいったら、他の分野にも適用範囲を拡大していくということもあるでしょうし、さらに大きくなるようなら、オンプレミスで統合したシステムを作ろうという展開も考えられます。クラウドですから、利用を止めようと思えば、いつでも止めることができます。
さらに、WatsonとはIBM Cloud のデータセンターから直接接続できるのも大きな魅力です。

▼ 本番サービスはセキュアで柔軟なリソースの配分が行えるベアメタル・サーバー上で


競争が激化する中、他の追随を許さないサービスを提供できる企業が大きなアドバンテージを獲得しています。「クラウド(ベアメタル・サーバー)」×「コグニティブ」の活用が、今後のデジタル・イノベーションの大きな推進力になりそうです。

なお、このソリューションの導入事例として株式会社かんぽ生命保険の事例がIBMのサイトで紹介されています。


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