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インターネットやスマートフォンの登場もあり、テレビはもはや娯楽の中心ではなくなってしまいました。とくに、膨大なコンテンツ量とオリジナルドラマを製作している動画配信サービスは、テレビ局にとって脅威の存在です。そんななか、IoTによって放送技術を革新しようという動きが出てきました。新技術によって苦境を打破できるのか。テレビ局はまさに岐路に立っています。

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放送と通信が融合したHybridcast

現在テレビ局では、放送とインターネットを融合させた「Hybridcast(ハイブリッドキャスト)」の試行錯誤を進めています。これはインターネットで使用されているHTML5をベースとしており、高画質画像やアニメーションなどの大容量データを放送と同じ品質で表示できる技術です。テレビ局が番組に関連した情報を追加できる他、視聴者がSNSで情報共有できるなど双方向放送を楽しめるのが特徴です。

では、これまで主流だった「データ放送」と何が違うのでしょうか?データ放送には、BML(Broadcast Markup Language)という技術が使用されています。こちらは放送波の空きスペースに情報を乗せる仕組みのため容量に限りがあり、文字など少量の情報しか表示できないのが難点でした。

つまりHybridcastは情報量、スピード、画質ともに大きく進化しているわけですが、視聴するには対応したテレビと、そのテレビがインターネットに接続されていることが必要です。具体的には東芝のレグザ「Z8Xシリーズ」、「Z7シリーズ」、「J7シリーズ」、パナソニックのビエラ「WT600」、「VT60シリーズ」、「FT60シリーズ」、シャープのアクオス「US45シリーズ」、「W25シリーズ」、ソニーのブラビアなどで、最近は対応機種がかなり増えています。詳しくは一般社団法人IPTVフォーラムのホームページ「ハイブリットキャスト対応テレビ一覧」でご確認ください。

「NHK Hybridcast」、対応番組が続々

Hybridcastによる放送は民放各社も取り組み始めていますが、最も進んでいるのはやはりNHKです。同局では「NHK Hybridcast」を展開しており、朝ドラ、大河ドラマ、『あさイチ』、『しごとの基礎英語』などの番組がこれに対応しています。

現在放映中の大河ドラマ『おんな城主 直虎』のHybridcastでは、セットを見渡せる「360°ビュー」や特別映像、フォトギャラリーが楽しめます。放送の進行に合わせ更新される登場人物やあらすじもデータベース・コンテンツと直接リンクしており、素早く確認可能。「大河ドラマは登場人物が多くて苦手……」という人にピッタリです。また、『しごとの基礎英語』では、番組に入りきらなかった先生の解説をまるごと紹介。放送と異なり、繰り返し学習できるのも便利な点です。

IoTを組み込むことで放送革新に期待

Hybridcastの可能性はこれだけではありません。IoTを組み合わせることでまったく新しい楽しみ方が期待されています。今、NHKではデンソーの協力を得て自動車とテレビを連携させたデモシステムを研究・開発中です。

例えば、次のような楽しみ方です。Hybridcast対応テレビで、『おんな城主 直虎』を視聴したとします。すると、スマホに視聴データが送られてきます。この状態で、視聴者が車に乗りエンジンをかけると、スマホとカーナビが連携。そして、カーナビは番組内容を認識し、「2km先には、大河ドラマに出てきたお寺があります」といった情報を音声で知らせてくれるのです。これは面白いですね。テレビを離れてからも番組の内容を深く楽しめますし、戦国時代と現代のつながりを感じれば旅行の楽しさも広がります。

NHKでは、2019年に放送中のテレビ番組をネットで同時に流す「常時同時配信」を開始予定。さらには、2020年代にHybridcastとIoTを連携させたコンテンツの実用化を計画しています。

受信料によって民放よりも安定的に経営できるNHKでさえ、時代に合った面白い番組を作らなければ、テレビ離れが加速するという危機感を強めています。ぜひとも、新しい技術によって面白い番組を製作してほしいものです。


<参考・参照元>
ハイブリッドキャストのはじめ方 | 一般社団法人IPTVフォーラム
NHK、IoTで放送革新 テレビ離れに危機感 | 日本経済新聞