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4/27-28に開催されたIBM Watson Summit 2017より、Day2のKeynote『ディスラプター(破壊者)の条件 - 先進テクノロジーとオープン・イノベーションで市場をリードする』の模様をレポートします。

(写真左から)
【モデレーター】久世和資氏|日本アイ・ビー・エム株式会社 執行役員 チーフ・テクノロジー・オフィサー
【パネラー】野口悠紀雄氏|早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問|一橋大学名誉教授
【パネラー】楢﨑浩一氏|SOMPOホールディングス株式会社 常務執行役員 グループCDO


横からシェアを奪うディスラプター


先端のテクノロジーを巧みに利用し、従来のビジネスモデルを破壊する。今、既存の市場を横から奪い取るディスラプターが、創造的破壊を行っており、Uber、Airbnb、Lyft、OpenTableなどが、その代表例といわれています。

▼ モデレーターは日本IBM執行役員の久世氏


久世氏: 「いろんな業界に予想もしなかったことが始まっています。たとえばUber。タクシーを1台も持たないタクシー会社。固定資産がない。既存のデジタル技術を上手に組み合わせ、ドライバーとお客様の相互評価など、新しい仕組みをつくりました」

野口氏: 「テクノロジーの観点からは新しいものではありませんが、Uberの利点はドライバーの善し悪しがわかること。また、シェアリング・エコノミーという新たな社会制度に対しての評価が高いのだと思います」


ブロックチェーンは金融だけではない


取引する相互を評価するというUberのシステムは、まさにブロックチェーンと同じ考え。では、そのブロックチェーンはどう進化し、どこへ向かっているのでしょう。

久世氏: 「野口先生、これからの世界経済にブロックチェーンが果たす役割についてお伺いします」

▼ 早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問の野口氏


野口氏: 「ブロックチェーンは、いろんな分野で使われ始めています。お互いが取引を電子的に分散的に記録するので、改ざんができない。また、管理者がいないので、規制しようがない。そして、外部からの攻撃にも強い。といった特徴から最初は仮想通貨ビットコインとして、ブロックチェーン技術が使われました。今では、ある都市銀行が独自のコインを発行すると話題になったり、各国の中央銀行が仮想通貨の検討に熱心に取り組んでいたりします。また、この動きは銀行から証券会社や保険会社へ、貿易会社などへ広がっています」

▼ SOMPOホールディングスの楢﨑氏


楢﨑氏: 「保険業界でも、どちらに非があるかの証跡を残す必要があります。これはまさにブロックチェーン。同じような技術を使うことができます」

▼ 今やブロックチェーンは、Bluemix Infrastructure上で、AIやIoTをつなぐテクノロジーでもある


SOMPOホールディングの「天候デリバティブ」という新しい商品は、契約から支払いの判定、決済まで一連の処理をすべて、ブロックチェーンで自動的に実行。例えば、大規模農家などの契約者に降雪量などによって、保険金が支払われます。登録済みの契約内容を自動的に履行する「スマート・コントラクト」機能を有するため、アプリケーションの開発も不要だといいます。

▼ SOMPOホールディングの新商品「天候デリバティブ」


▼ブロックチェーンは「価値のインターネット」を実現する共有台帳技術


ブロックチェーンは人の仕事を奪う?


議論はどんどん展開し、テクノロジーやイノベーションは果たして人々の仕事を奪うかというお話に。

野口氏: 「今までは工場で組み立て作業を行う、銀行の窓口に立つなどの仕事がロボットやAIに奪われると言われてきましたが、実は経営者や管理部門がやっている仕事はルーチン・ワークであり、大部分がブロックチェーンで自動化できるのです。部下の評価も、ブロックチェーンのスマート・コントラクトの仕組みがあれば、代替できてしまいます。大企業など、巨大な組織を把握するのは、コンピュータのほうが上手なのではないかと思います」
スマート・コントラクトなどについて、詳しくは「IBMブロックチェーン」を参照してください。

楢﨑氏: 「保険業界は、保険に入ってもらう、保険金を支払う、契約更新してもらう。そのほとんどの仕事がルーチン・ワークです。だからこそ、大きな変革が必要でした」

ここで、SOMPOホールディングがデジタル戦略研究・開発拠点として東京と米国シリコンバレーに設置した「SOMPO Digital Lab」での活動や、「ウェアラブルデバイスによる健康支援」や「万が一の自動車事故時におすだけのIoTデバイス」などの新商品・新サービスが紹介されました。

久世氏: 「シリコンバレーは自由な発想がすべて。日本みたいに実証実験してみないと判断できないなんてことはありません。やれ!(笑)という感じですね」

楢﨑氏: 「日本はソリューションを先に作って、市場を探す。発想が逆なんです。人は今、何に困っているかを探せばいいのです。ディスラプターの条件は、少し成功したくらいでは守りに入らず、挑戦を続けること。シリコンバレーのように、強引に獲物を捕まえるようなスピリットがないと、その先に進めないのではないでしょうか」

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自由な発想がないと、破壊されてしまう。挑戦する気持ちがないと、革新は生まれない。保険の枠を超え、介護・ヘルスケア分野に進出し、「安心・安全・健康のソリューション・サービス・プロバイダー」をめざすSOMPOホールディングも、自らディスラプターに名乗りを挙げた企業なのかもしれません。

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