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4/27-28に開催されたIBM Watson Summit 2017より、セッション『製造業CAE、金融計算、Deep Learning!「進化するHPC on IBMクラウド」- リスク計算はクラウドが最適な具体的理由』の模様をレポートします。

それはHPCワークロードに応える性能か?


かつて仮想化をベースとしたクラウドは、HPCには相応しくないものだと思われていました。しかし、IBM Bluemix Infrastructure専有型ベアメタル・クラウドの登場によって、その評価は一変し、そのハイパフォーマンス、柔軟なスケーリング、高いコスト効率というメリットがHPCに十分に生かせる、そんな認識になってきています。

▼ 日本IBM クラウド事業統括本部 クラウドマイスター 安田智有氏


今までよく言われてきたように、急に製品の性能評価が、金融商品のリスク計算が必要になった。そんなピーク時にブン回せるパワーが重要。ピーク時の飛びでた部分のみをクラウドでまかなう組織もあれば、そのすべてをクラウドに任せる組織もあります。
日本IBMの安田智有氏から、なぜBluemix Infrastructureがクラウドでありながら、HPCに適しているかの説明がありました。

安田氏: 「より速いCPUあるいはGPU、より大容量のメモリ、より高速なディスクI/O、ノード間通信の高速化など、HPCワークロードに求められる条件をクラウド(Bluemix Infrastructure)がクリアできるようになってきました」

▼ HPCワークロードの8つの特徴


低コストで使いたい時に使いたいだけを


Bluemix Infrastructureの場合、ベアメタルやCPU、GPUなどが必要なときに必要なだけ利用できるので、従来型のHPC基盤に比較し、コスト面での優位性があります。さらに、以下のような副次的なコスト・メリットが享受できるのも、クラウド化を後押しする要因です。

【従来型のHPC基盤】
固定の処理機能に対し、固定のTCO。これらが減価償却期間中ずっと継続する

【クラウド型のHPC基盤】
(A) クラウド利用料金は激しい競争下にあり、今でも値下げ傾向にある
(B) データセンターには、新しい型のCPUやGPUが導入されていくので、ほぼ同等の利用料金で計算能力が上がる傾向にある
(C) クラウド利用の必要のない場合は、インフラ・コストをO円にすることもできる


HPC on Bluemix Infrastructureの現状


安田氏: 「HPCに対して、Bluemix Infrastructureがどう対応しているのか。まず、高速演算に関しては、ベアメタルでも仮想サーバーでも対応が可能です。2つめは高性能入出力。InfiniBandをサポートしていますが、後継のサービスも準備中です」

また、並列ファイルシステムにはIBM Spectrum Scale (旧IBM GPFS)、高速な大容量データ転送にはIBM Asperaが用意されているといいます。

安田氏: 「クラウドにデータを長期保存する場合、とくにHPCだと従量課金でものすごく高くなるような気がしますが、オブジェクト・ストレージなら、1GBあたり3円から4円からと安くご利用いただけます。また計算サーバーがあるデータセンターの横にお客様のラックが持ち込めるクラウド・コロケーションなどを用いる方法もあります」


金融リスク計算にクラウドが最適な理由


セッション後半には、ニューメリカルテクノロジーズ株式会社の代表取締役社長 鳥居秀行氏が登壇しました。1998年に設立された同社は、これまで数多くの大手金融機関・商社に導入実績をもつ、金融リスク管理ソフトウェアの分野における日本のトップ企業です。

▼ ニューメリカルテクノロジーズ社 代表取締役社長 鳥居秀行氏


鳥居氏: 「なぜクラウドか? というテーマですが、それはさまざまな要因がありますが、金融機関の業務にピーク時とアイドル時の差がもの凄く大きいからに尽きます」

2017年4月、ニューメリカルテクノロジーズ社はBluemix Infrastructureを基盤とした「NtInsight® on Bluemix」のサービスを開始しました。このサービスはオンプレミス環境で培ってきた「NtInsight」の長所はそのままに、リソースに柔軟性のあるクラウド・プラットフォームのメリットを活かすものです。
続いて、同社クラウドビジネス企画部の工藤浩史氏が登壇。オンプレミスの製品をクラウド対応していくなかで、Bluemix Infrastructureを選択した理由はどこにあったのでしょう。

▼ 同社 クラウドビジネス企画部 工藤浩史氏


工藤氏: 「計算時に求めるのは、とにかく安定したシステム・パフォーマンスです。そこで注目したのが物理サーバーです」

▼ ベア・メタル・サーバーなら、他社クラウドのようにパフォーマンスにばらつきがない


他のテナントとリソースを共有する他社クラウドは、最初から候補にもなっていなかったようです。

▼ NtInsight® on Bluemixでは大手金融機関の将来財務シミュレーション(CPU:48 core、メモリ:256GBのサーバーを数十台規模)を行った


工藤氏: 「実際に実験でオンプレミス環境と同様、CPUやメモリを効率的に使用した計算ができていることを確認できました」

鳥居氏: 「つまり、クラウドでOKということです。これは決して営業トークではないんです。1週間クラウドを試していただければ、どなたにもその安定したパフォーマンスがわかると思います」

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HPCのみならず、モンテカルロ・シミュレーション、金融モデリングなどに高い知見を有し、コンサルティング会社という側面をもつニューメリカルテクノロジーズ社から、Bluemix Infrastructureとベア・メタル・サーバーが、その安定性でお墨付きを得た感じとなった本セッション。世界経済が激しく動くと、金融リスク計算の未だかつてないピークがやってきます。常に先を見据え、使えるクラウドを上手に使うことが重要なようです。

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他のクラウド・サーバーでは到達し得ない速度、能力、柔軟性「ベア・メタル・サーバー」