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4/27-28に開催されたIBM Watson Summit 2017より、ゼネラル・セッション『ビジネス・リーダーの構想を具現化する Day 1「WatsonとIBMクラウドで経営変革に挑む」』の中から、IBMコーポレーションのアーヴィン・クリシュナ氏の講演と、三井住友銀行のWatson活用事例紹介をピックアップしてレポートします。

▼ 来日したアーヴィン・クリシュナ(Arvind Krishna)氏。IBMコーポレーション シニア・バイス・プレジデント ハイブリッド・クラウド 兼 IBMリサーチ ディレクター


コグニティブ革命がすでに始まっている

2016年2月の日本語版Watson API発表から、およそ1年2か月。コグニティブ・ビジネスは早くも多くの企業で「実装段階」に入り、その成果を競いあうようになってきました。

登壇したIBMコーポレーションのアーヴィン・クリシュナ氏によると、「毎日作成されるデータは2.5エクサバイト」「世界中のデータの90%はこの2年間で作成された」「全世界の科学分野のレポートは9年ごとに倍増」とのこと。つまり、今後さらに爆発的に増え続けるデータをいかに読み解いていくかが課題であり、そこにはIBMのコグニティブ(コグニティブ・コンピューティング、人工知能、マシン・ラーニング)が重要な役割を果たすということです。

▼ヘルスケア、金融サービス、IoTなどを中心とした業界や領域に普及がすすむ「Watson on IBM Cloud」


アーヴィン・クリシュナ氏: 「ビジネスのためのAIを提供し、すべての人が活用できるようにしたい。そのためにIBMプラットフォームの中心にWatsonがあり、さまざまな統合ソリューションを、IBMクラウドを通してご提供する。今、Watson on IBM Cloudというビジネス・エコシステムが整ってきました」

▼産業革命、蒸気機関・鉄道、鉄鋼・電気・重工業、石油・自動車・大量生産、情報・通信、そして現在はデータとクラウドが原動力となる「コグニティブ」の時代

アーヴィン・クリシュナ氏: 「蒸気機関、自動車、ICT、かつてこれらを原動力とした企業が勝利してきました。現在はコグニティブです。これを活用した企業こそ生き残ります」

さらに、IBMリサーチのディレクターでもあるアーヴィン・クリシュナ氏は、1億人の患者のデータを活用することで、医師の仕事を拡張させる「医療/ヘルスケア」、障がい者や高齢者の感覚機能、身体機能、認知機能を補い、新たな形の社会参加を生みだす「コグニティブ・アシスタント」、インターネット登場以来の革命的技術であり、物流や貿易において移動コストをカットできる「ブロックチェーン」など、さまざまなソリューションが何を実現するのか、その可能性を示しました。

▼ 貨物の移動コストの約10%を占める書類手続き費用を削減するブロックチェーン


デジタル・ネイティブ世代の金融機関へ


続いて登壇したのが、株式会社三井住友銀行取締役専務執行役員の谷崎勝教氏。三井住友銀行と日本IBMは、今年(2017年)2月に、「IBM Watsonのコールセンター全席導入並びに行内照会対応業務への活用開始」「貿易分野におけるブロックチェーン技術の適用可能性に関する実証実験開始」を、3月に、「三井住友銀行のデリバティブ信用リスク計測システムにおけるパブリッククラウド活用の取組み」を共同で発表するなど、親密な関係を築いています。

▼ 三井住友銀行取締役専務執行役員の谷崎氏

谷崎氏: 「日本IBMさんとの付き合いは今に始まったものではありません。半世紀にわたる歴史があります」

▼ 1965年、三井住友銀行の前身である三井銀行に導入された「日本初の銀行オンライン・システム」。1964年開催の東京オリンピック大会の集計システムを転用したもの。このシステムによって、どの支店でも預金が引き出せるようになった

「三井住友銀行のデリバティブ信用リスク計測システムにおけるパブリック・クラウド活用の取組み」に関しては、Bluemix Infrastructureを活用。1日に膨大な計算を行うデリバティブ取引においてはサーバー処理能力が問われますが、Bluemix Infrastructureのパブリック・クラウド上に同行の専有環境を構築し、計算量に応じてサーバー数を増減させる構成によって、システムにかかるTCO(Total Cost of Ownership|総所有コスト)をオンプレミス環境比で約30%削減しました。

▼ 信用リスク計測システムにおけるBluemix Infrastructureの活用

また、「IBM Watsonのコールセンター全席導入並びに行内照会対応業務への活用開始」に関しては、1件あたりの取引照会のコストを約60円削減できただけではなく、新規採用者の離職率が48%も改善。心理的な不安が減ったという事実から、Watsonのコールセンター導入を三井住友銀行から、三井住友フィナンシャルグループ全体での利用も検討するといいます。新規採用者はまさにデジタル・ネイティブ世代。的確な答えを用意してくれるWatsonは信頼のおける存在になっているのでしょう。

谷崎氏: 「50年前の東京オリンピックはハードウェアが変わりましたが、2020年の東京オリンピックは、ソフトウェア、アプリケーション、サービスが変わるきっかけになるはずです」

▼ コールセンターにおけるIBM Watsonの活用

また、近年多発するサイバー犯罪の検知システムにWatson for Cyber Securityを活用。Watsonに世界中のセキュリティー情報に関するデータを学習させ、不審な挙動を検知。新しい脅威や攻撃の手口など、最新情報をセキュリティー技術者に提供できるようになったといいます。

▼ 照会業務やセキュリティー対策に関するIBM Watsonの活用

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日本のメガバンク3行がすべてIBM Watsonを活用し、業務改善を図っています。4月27日、このゼネラル・セッションで発表された、業界に特化した「学習済みWatson」などが、証券会社や地方銀行など、さまざまな金融機関に急速に普及していくことでしょう。
2017年現在、コグニティブはIBMがトップを独走中。他社はなかなか追走できていない状況のようです。


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