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コストダウンのためのクラウドから、投資に対する効率を考えたクラウドへと、その役割が変化しています。そして、そのキーワードはコグニティブです。クラウドにコグニティブが加わることで、どのような変化が予想されるのでしょうか?また、ROIは、どのように変化するのでしょうか?

By: David Song / September 22, 2016
原文(英語)
訳:Agile Cat 

クラウドを採用する原動力は、物理サーバーを排除することによるコスト削減であり、その目的を達成するために、アプリケーションとデータがクラウドに移行していきます。これにより、前払いとなる設備投資(CAPEX)が削減され、オンデマンドで提供されるサービスに基づいた、営業支出(OPEX)としての予算計画が可能になります。

こうした流れが、主要クラウド・サービス・プロバイダ間の価格競争を、着実に促進していきます。仮想マシン1台あたりの価格は、年間平均で10%ほど引き下げられ、1時間あたりの仮想インスタンスの料金は5セントほどになっています。これまでの5年間では、マルチ・テナントのパブリック・クラウドにおける継続的な価格の引き下げが、クラウド市場全体の急激な成長に貢献してきました。

変化するクラウドの役割

とは言え、エンタープライズ・ユーザーの視点から見ると、高い競争力を長期的に維持するレベルにまで、コスト削減のスピードは高まっているのでしょうか?また、モバイル/ソーシャル/IoT/コグニティブ/クラウドが、相互に連携していくことで、スマートな自動車や、オフィス、ヘルスケア、教育といった革新的なソリューションが生み出されますが、その一方では、既存の産業が破壊されていきます。

Uberなどの、モバイル・アプリをベースにしたライド・シェアリング企業が、巨大な産業へと成長してきました。世界中でタクシーサービスを提供する企業は、どのようにしてビジネスを維持していくのでしょうか?クラウド移行によるコスト削減が十分ではないのは明らかですが、クラウド上のコグニティブな能力をもちいることで、革新的なソリューションを作成することが説得力を持つことになるでしょう。

コグニティブという新たな要素

クラウドのコグニティブとは、クラウド内で運用されるコグニティブなサービスを指しますが、それらはREST (Representational State Transfer) APIを介して活用できます。この種のサービスは、BluemixなどのPaaS (Platform-as-a-Service) プロダクトの一部として提供され、アプリケーションをコーディングするときに、簡単にバインドすることが可能です。

たとえば、音声からテキストへの変換や、話し手の感情の分析を行うボイス・アナライザーや、視覚を認識し顔を判別するビデオ・アナライザーなどの、コグニティブなサービスも利用できます。その場合には、モバイル・デバイスが毎日のように生成する、ペタバイト・レベルの非構造化データを分析することになります。

ROIのための基準が変化する

モバイル・デバイス上で動作する、コグニティブなアプリケーションを開発することで、まったく新しい洞察力が提供され、組織における新しい収益源を創出されていきます。コグニティブとクラウドの融合により、認知を志向するデジタル経済が推進されます。その潜在的な経済性には、制約が無いように思えてきます。


ROI(Return-On-Investment)の観点で、クラウドの導入を計画している、二種類の組織があるとしましょう。1つは、コモディティなクラウド・サービスを提供するプロバイダを活用し、TOC (Total Cost of Ownership)を削減する組織です(チャートのOrg 1)。もう1つは、TCOの比較に加えて、コグニティブという評価基準に基づき、クラウド・サービス・プロバイダを選択する組織です(チャートのOrg 2)。

チャートが示すように、Org 2はクラウドのコグニティブを活用して、継続的なイノベーション達成し、より高いROIを維持していきます。Org 2がTCOを比較するだけではなく、ROIを向上させるイノベーション・プラットフォームとしてクラウドを認識しているところに、Org 1との違いがあります。

進化し続けるクラウドの機能

継続的なイノベーションを達成するためには、クラウドにより強化されるIoTやブロックチェーンといった付加価値も必要です。とは言え、利益の回収に関しては、直ちに定量化できないかもしれません。したがって、コグニティブなアプリケーションや付加価値サービスが活用され、効果的に革新的なソリューションが生み出されることで、2つの組織の成長力が大きく異なる可能性もあります。

適切なサービス・プロバイダを選択しクラウドにおけるROIを達成するためには、単にTCOを比較するだけではなく、仮想マシンの数やストレージの容量、ハイパーバイザ、オペレーティング・システムなども考えなければなりません。また、こうした基本的な分析に加えて、どのクラウドがPaaSの階層でコグニティブに対応しているのかを考えなければなりません。つまり、高いROIを達成するには、コグニティブに対応したクラウドが不可欠なのです。30種類にものぼるIBM Watsonクラウド・サービスとそのサービス基盤は、あらゆる業界の組織においてソリューションを適用する重要なカギになっています。

IBM Watson サービスの詳細については、こちらへ。

Thoughts on Cloudとは?
Thoughts on Cloudは、クラウド・コミュニティに対して分析や洞察を提供する、とても重要なニュース・ソースです。テクノロジーとビジネスの分野において活躍する、グローバルにおける大手出版社の協力と、思想的なリーダーおよび業界のエキスパートの助言を得て、IBMが発行するものです。ご意見やご要望がありましたら、AmeliaRoss(amelia.ross(at)us.ibm.com)まで、お知らせください。