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緊急時医療において活躍するIoTとして心電図伝送システムや救急自動車映像伝送システム、超電導MRI装置の故障予兆システムを紹介してまいりました。今回は、現在、実証実験が実施されている『ヘカトンケイルシステム』について紹介してまいります。


ヘカトンケイルシステムとは

引用元:1. 救急医療・災害対応におけるIoT利活用モデル実証事業 | midika-iot.jp

『ヘカトンケイルシステム』とは、ウェアラブルデバイスやスマートフォンアプリ、119番通報などによる受動的な情報収集だけでなく、ドローン等の無人飛行機を活用した能動的情報収集やフィードバックを半自律的に統合するシステムのことです。

地方自治体レベルで推進する都市OSやオープンデータ等の社会的基盤が存在していることが前提となりますが、実証検査によりシステムのリファレンスモデルが構築されると、救命連鎖の補完や迅速な情報分析・共有が可能になり、救命活動の効率化や適用システムの最適化が実現することになるでしょう。

ヘカトンケイルシステム実現に向けての課題

この実証実験は、2016年11月8日、東京・本郷の東京大学内に拠点を置く一般社団法人、救急医療・災害対応無人機等自動支援システム活用推進協議会(略称:EDAC)が提案者となり、福岡県福岡市の九州大学伊都キャンパス周辺を舞台として開始されました。

この実証実験では、夜間や視界外、送信機の電波到達範囲外においてドローンが活用できるのか、また、激しい雨や風などの悪天候の中でもドローンを適切に飛ばすことができるのか、無人機を運用することで事故の予防や事故被害の極小化が実現できるのか、個人情報や個人データを適切に活用できるのか、そして、救急医療や災害対応においてIoTは本当に有用と言えるのか等を課題として設定しています。これらの課題を克服しつつ、システム利用にかかるコストを試算し、利用者に向けたガイドブックを作成していく事も課題として設定しています。
<参考・参照元>
一般社団法人 救急医療・災害対応無人機等自動支援システム活用推進協議会|EDAC

熊本地震におけるドローン活用

EDACは、この実証実験を開始する前に、2016年4月に起こった熊本地震においても災害支援のためのドローン活用を実施しています。

熊本地震は最初の地震が起こったのは4月14日ですが、行政によるボランティアセンターが開始したのは4月22日と、被災者のニーズと行政がかみ合わない状況が続き、ドローンによる災害支援もスムーズには実現されませんでした。その後しばらくしてから、被害地域を空撮して被害状況を正確に把握したり、目的地までの道路状況を把握したり、危険のため立ち入り禁止区域になった場所の被害状況をモデル化したりすることにドローンが利用されるようになり、EDACが目指すドローンによる災害支援が徐々に拡大されるようになりました。

ドローンを使えば屋根の損壊状況も梯子をかけずに把握することができますし、地割れの長さや方向もドローンによる空撮で、10分程度の短時間で把握することができます。熊本地震の災害支援を通して、災害時や緊急時にどのようにドローンが利用できるのかの具体的な指針がさらに明確になったとも言えるでしょう。
<参考・参照元>
熊本地震から100日、現場から見た支援の課題(1)民間のボランティア組織とドローンの活用|WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース

IoT医療機器もドローンなどの無人機も非常に優れた人智の産物でありますが、本当に必要性のある活用方法を提示できるのかという課題は、多くの場面を実際に経験し、それぞれの機会において可能性を1つ1つ検証することでしか実現できないものと思われます。技術の進歩はもちろん大切なことですが、実際の応用力こそがそれ以上に大切なことなのだと言えるでしょう。

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