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地震や津波、火災など、大規模な災害や被害から完全に逃れることは不可能ですが、スムーズなトリアージ(重症度、緊急度により治療の優先順位を決めること)と治療を実施することで、救命率を飛躍的に向上させることは可能です。ですが、そのような非常事態が起こった際は病院等の医療機関は混雑を極め、出来得る限り早く患者を搬送したとしても、適切な処置をすぐさま施すことは非常に難しくなってしまいます。どうしても手術室が必要な患者のみを医療機関に搬送し、災害現場で処置ができる患者はその場で処置をすること、また、重症度や緊急度が分かりにくい患者は災害現場で的確な診断をすることが、本当の意味での救命率を高める緊急時医療と言えるのです。

一昔前までは、災害現場や火災現場において充分な電力を確保するのは難しく、的確な診断や応急治療に欠かせない医療機器が救急の現場では稼働できないという問題点がありました。しかし現在では、クラウドサービスを活用した心電図伝送システム等のIoT医療機器が数多く開発され、緊急時医療が大きく発展しています。どのようなIoTや小型医療機器が緊急時医療において活躍しているのか探っていきましょう。


クラウド型心電図伝送システム(ドコモ)

引用元:クラウド型12誘導心電図伝送システム 医療向けモバイルソリューション ドコモビジネスオンライン | NTTドコモ

1分1秒が生死の境を分けてしまうこともある緊急時。心臓に疾患がある傷病者にとっては、なおさら1秒の価値が重いものになります。やっとの思いで病院に到着したにもかかわらず、病院内に治療に必要な医療設備がない、そのためさらに他の病院に搬送・・・といった最悪の事態を防ぐためにも、心疾患の有無と必要な医療設備の種類は、搬送中、つまり救急車内でしっかりと見極めておかねばなりません

ドコモが開発した『クラウド型12誘導心電図伝送システム』は、救急搬送車両内で記録した心電図をモバイル端末からクラウドサーバーへアップロードし、対応設備のある医療機関に控える循環器専門医師が遠隔でクラウドサーバーに直接アクセスし確認できるサービスです。メールによる誤送信などの情報漏洩のリスクを回避しながら心電図をチェックすることができます。このシステムを活用すれば、心疾患を抱える患者の搬送ミスを防げるだけでなく、傷病者が病院に到着するまでに受け入れ側で処置に必要な準備をしておくことや、専門の医師が傷病者の医療データをしっかりと把握しておくことも可能になります。

心疾患は特別な病気ではありません。厚生労働省が3年おきに実施している『患者調査』によりますと、2014年度の高血圧性を除く心疾患患者は、入院患者で59万9000人、外来患者に至っては133万9000人で合計193万8000人にも上ります。診断を受けていない人や、他の病気を併発している人なども含めると、少なくとも日本人の約60人に一人は心臓に何らかの疾患を抱えていると言えるのです。そのようなリスクを背負った人々が最短かつ最適な処置を受けることができる、同社のシステムは今後もますます必要性が高まることでしょう。
<参考・参照元>
平成26年(2014)患者調査の概況(PDF)

V-FAST(インフォコム)

引用元:救急自動車映像伝送システム|インフォコム

医療関係機関や教育研究機関、官公庁へ向けた情報システムの開発やコンサルテーションを行うインフォコム株式会社が開発した『V-FAST』は、災害現場や被害現場から医療機関に、傷病者の状況をカメラ映像や生体モニター画像によって迅速に伝えるシステムです。

現在のところ、傷病者の状況は救急隊員や同乗の医療関係者によって電話を通じて医療機関で待機している医師に伝えられていますが、言葉で伝えられることには限界もあり、また誤解を生んでしまう可能性があります。ですが、V-FASTを使えば鮮明な画像がリアルタイムに送信できるようになり、より正確に傷病者の状況を肉眼で把握でき、最適な受け入れ先を選ぶだけでなく、場合によっては画像を見た医師から救急隊員に対して処置の指示を行うこともできるようになるのです。

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