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日本IBMが主催する、九州発のオープン・イノベーション創出を推進するプログラム「INNOVATE HUB KYUSHU」。その一環であるハッカソンイベント「INNOVATE HACK KYUSHU」には、全国から90チームのエントリーがあり、その決勝戦(DemoDay)が2016年9月6日、福岡市のJR九州ホールで開催されました。精鋭達によるプレゼンテーション。果たして世界を動かすイノベーションの風は、九州から吹いたのでしょうか?


熱い九州は、レベルも高い!

INNOVATE HACK KYUSHUは、1)アイデアソン、2)書類審査、3)プロトタイプ開発と予選ピッチ、4)決勝戦、5)事業化に向けたインキュベーション、のステップで構成されています。2016年8月6日に行われた事前説明会&アイデアソンには、実に90チームが集結。そこから書類審査によって絞られた44チームだけが、8月27〜28日のプロトタイプ開発へ参加。さらに、最終日に行われた予選ピッチを通過し、決勝へ進出できたのはわずか11チームでした。決勝で個性あふれるプレゼンテーションを行った11チームは、いわば精鋭中の精鋭だったといえます。特に、台湾から参加の「THINKTANK」、中国、タイ、日本の混成の「Japan QIK」といった国際色豊かなチームや、高校生チーム「Chronostasis」など、九州の土地柄や気風を反映したハッカソンであったというのも特徴です。

そして、いきなりですが、まずは結果をご覧ください。(「 」内はチーム名)
【最優秀賞】「UMYAH」*注:ウミャーと読みます
・事業化のためのインキュベーション・プログラム、メディア露出への最大化
【優秀賞】「Nishida Lab.」「Chronostasis」
・10/21〜25、米国ラスベガスで開催の「World of Watson 2016」へ招待
【ソフトバンク賞】「セーフマスター」「メディアシステム」
・IBM Watson日本語版API利用権1年分、ヤフオクドーム スーパーボックスご招待
【まち・くらし賞/観光・エンタメ・スポーツ賞】「Japan QIK」「AO」「UMYAH」
【ヘルスケア賞】「セーフマスター」
【ロボティクス賞】「Nishida Lab.」
【特別賞(Ruby賞)】「Teleporters株式会社」
【特別賞(Tech in Asia賞)】「UMYAH」
【特別賞(福岡市/FDC賞)】「ボウサイワトソン」

子供のお手伝いの対価を決めるWatsonと、FinTechによるお小遣いの支払い!?

最優秀賞を獲得したのは「UMYAH」の『お手伝い預金 〜Watsonが実現する新しいお手伝いの形〜』。子供は欲しいモノを決め、お手伝いに励みます。お手伝いの報酬額を決めるのは、なんとIBM Watson。「お買い物に行ってきたよ」とスマートフォンに話すと、Watsonがその対価を50円などと判断し、親のLINEに送信。親の了解が得られれば、IBM Fintech APIを通じて、親子間送金が行われるという仕組みです。
親は仕事をしていても、子供の行動を知ることができます。子供は頑張って、お金を貯めたという経験を得ることができます。FinTechをもっと身近にする、素晴らしいアイデアです。

▼最優秀賞を獲得した「UMYAH」。まち・くらし賞/観光・エンタメ・スポーツ賞、特別賞(Tech in Asia賞)とのトリプル受賞となった

▼子供がお手伝いを申告するとWatsonが対価の相場を判断。親が承認すると子供の口座へ振り込む

▼システム構成。Line Bot API+日本語化されたばかりのWatson NLC (Natural Language Classifier) APIも活用

▼LineによるUI。「おつかい」の対価は50円とWatsonが判断。でも親に却下されるシーン

▼マネタイズもぬかりなく、最近のトレンドとなりつつあるデータの二次利用で


AIの弱点「学習」にかかる手間はHI(?)で解決

ロボティクス賞と優秀賞に輝いたのは「Nishida lab.」の『テクノロジーではたらくしくみをつくる』。Nishida lab.は九州工業大学西田研究室のチームです。同じく北九州市に本拠を置く協賛の安川電機から提供された産業用ロボットを使ったプロトタイプを開発しました。
人口減少に伴う労働力の低下を解決する1つと言われるAIロボット。しかし、AIには、学習・検証に膨大なデータと時間が必要という弱点もあります。もちろんデータ収集・学習の間、事業をストップさせるわけにもいきません。そこで登場するのがHI(Human Intelligence)。ずばり人による判断です。
データ収集・学習フェーズは、産業用ロボットをクラウドを経由してPepperへ接続します。ロボットが作業時に迷った際には、Pepperを介して人に判断を仰ぎます。これがHIです。こうすることで、あらゆる場所から、あらゆる人々を雇用することができるだけでなく、事業を止めることなくデータの収集を行うことが可能になります。
さらに、ある程度のデータがたまった段階でAIへインプットし、学習させます。学習が完了次第、AI運用フェーズに切り替えるのです。
この発想は、AIの学習に苦労する開発者にとっては、目から鱗かもしれませんね。

▼「Nishida lab.」は優秀賞とロボティクス賞をダブル受賞

▼AIに学習させる前はHIで運用し、かつデータを収集


新しい風は「若者」から吹く

2組めの優秀賞に輝いたのは「Chronostasis」の『Chronostasis Platform』。
チームが紹介されるや否や、突然圧巻のCGデモムービーがスタート。その後、ジャケット姿で登場し、英語でプレゼンテーションを始めた男性。大人っぽい風貌ですが、実は全員が17〜18歳の高校生チーム。ゼンリンの地図データを用い、VR化された福岡の街に仮想広告システムを構築しました。ヘッドマウントディスプレイからユーザーの視点情報を入手することによって、きめこまかい広告効果の測定や分析が可能になります。

▼凄すぎる高校生チーム「Chronostasis」も優秀賞を受賞

チームChronostasis / Producer 吉村 啓氏:社会を変えたい、良くしたいと、NPOで活動したり、起業したりしている若者がたくさんいます。若者からの風を強くしたいんです。私たちは他の若者たちも後押ししていきたいと思っています。

日本IBM / 専務執行役員 武藤 和博氏:アイデアも英語も高校生ばなれしていました。VRの高い可能性を示してくれたと思います。風は西から吹くと常々申してきましたが、風は高校生から吹くことを実感しました。

いったいどうすればこういう高校生が生まれるのか・・・。
吉村氏は、中学時代までは福岡インターナショナルスクールに通い、3年生で英語の弁論大会にも出場、そして現在は慶応義塾高等学校に在学中とのこと。
卒業論文のために今年4月からVRの研究をはじめ、Oculus Riftを購入したものの、高価ゆえ、それだけではもったいないと、ゲームを開発しようと考えたころ、IBMによるSoftLayerでSAOを再現するというプロジェクトに遭遇。( ※参照:「ついに実現したSAOのVRゲームを体験したら、すごい事になっていた。」) これがきっかけで、今に至るそうです。卒業後は、大学に通いつつ、早々に「起業したい」とのこと。今後が楽しみなチームです。

▼堂々たるプレゼンテーションを魅せる吉村氏。「TED風のプレゼンを意識した」そう


高いクオリティのプロトタイプが続々と受賞

▼ソフトバンク賞の「セーフマスター」。10年後、20年後の自分のアバターが健康増進に励む今の自分を応援。Watsonによる会話形式でデータを入力することを可能にしました。ヘルスケア賞とダブル受賞

▼同じくソフトバンク賞「メディアシステム」の自動問診システム。Watsonが電話で高齢者を問診し、見守ってくれる。あえて電話を使うというのがミソ


九州のイノベートは次のフェイズに

▼審査員で九州出身の武藤和博氏 (日本IBM 専務執行役員)

武藤 和博氏:本日でDemoDayを終え、INNOVATE HUB KYUSHUは、Hackフェイズから、Buildフェイズ、Growフェイズに移ります。九州人は熱しやすく、さめやすいといわれますが、さめることなく、新たな文化や変革を西から吹かせましょう!

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普段は絶対入手できない協賛企業のリアルなデータ。開発環境として提供されるIBM BluemixとIBM Watson API。スペシャルサポーターやメンター陣によるフォロー。非常に恵まれた状況のなか、「INNOVATE HUB KYUSHU」のHackフェイズでは、たくさんのアイデアが生まれました。特に最優秀賞の「UMYAH」はこれから約半年、本格的な事業化に向けて、さらなる研鑽を積むことになります。大いに期待しましょう。


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