×
最新の人気コンテンツ情報をまとめた
メールマガジンをお届けします

ページトップへ
右がシェフ ワトソンのレシピを再現した「海老とカボチャのカレー」、左がカレーマスターの「北インド風カレー」

最近何かと話題のIBM Watson。日本IBMでもこの2015年10月1日からエコシステムパートナーの正式募集が開始されるということで、その「自然言語を理解・学習し人間の意思決定を支援する」というテクノロジーに興味をもつエンジニアの方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんなIBM Watsonの可能性に触れることができたイベント「謎のインド人カレーマスター・チャダ & Watson "カレーレシピ味くらべ祭り!!"」 (2015年9月開催)の模様をお伝えします。

「シェフ ワトソン」のカレーと謎のインド人のカレーと、どちらがうまいのか

メインイベントは、なんと言ってもIBM Watsonのテクノロジーをベースに開発された「シェフ ワトソン」のレシピ体験。これまでも世界中のシェフと様々なコラボレーションを実現してきたシェフ ワトソンが、今回はみんなが大好きな「カレー」を題材にその実力を披露しました。

今回の対戦相手であるフレンチの丸山シェフ(左)とカレーマスターのチャダ氏(右)。丸山シェフがシェフ ワトソンのレシピを再現してくれました

会場には、IT業界の現役エンジニアを中心にカレー好きの32名が集結。シェフ ワトソンのレシピを一流フレンチシェフが再現したカレーとCHANGE-MAKERSインド支局(?)から来日した謎のインド人カレーマスターが作るインドカレー、その両方を食べ比べてどちらが美味しかったかを多数決で競います。

全参加者による「チアズ!」の掛け声でイベントがスタート。美味しかった方に票を投じて勝者を決めるというのがカレー対決のルール

シェフ ワトソンと一流フレンチシェフとのコラボレーションが実現

2015年現在、さすがにシェフ ワトソンが自ら調理することは不可能なため、そのレシピを再現する調理人が必要になります。今回、その調理人として白羽の矢がたったのは、フレンチの丸山智博シェフ。食にまつわる多方面で活躍中の丸山シェフですが、シェフ ワトソンに触れたのは今回が初めてということで、最終的なレシピを決定するまでの数時間、材料や設定条件をいろいろと変ながらシェフ ワトソンに対する理解を深めたそうです。そして、丸山シェフの選んだレシピが「海老とカボチャのカレー」でした。

シェフ ワトソンが提案した「海老とカボチャのカレー」のレシピ画面。メインの材料や料理のシチュエーションなどのキーワードを入れて検索すると、シェフ ワトソンが複数のレシピを提案してくれる。

今までのカレーとは違う、未体験な味。
まずは先攻の丸山シェフが、レシピの決定過程を中心に「海老とカボチャのカレー」のプレゼンテーションを行いました。『対戦相手がインドカレーということから、メキシコや南米のお母さんが作るような海鮮と野菜をふんだんに使ったカレー風味の家庭料理をイメージしました。入力したキーワードは "CURRY(カレー)" "SHRIMP(海老)" "PUMPKIN(かぼちゃ)" の3つ。それによって、シェフ ワトソンがたくさんのレシピを提案してくれますから、日本国内で手に入りやすい食材が含まれているものを優先していって決定したのが今回のレシピです。カレーとしての要素はチリパウダーとカイエンペッパーしか入っていないので、食べ慣れているカレーとは違っているかもしれませんが、メキシコや南米の家庭料理としてお楽しみください』と、丸山シェフ。
実食した参加者の感想は、「単なるカレーを超えた複雑な味」、「一口ごとに味が変わる」、「不思議な味だけどクセになりそう」といった、これまでのカレーとはまったく異なる料理として評価する意見が多かったようです。

「普段の自分ではまったく作らない味になりました。外国人が作る味というか、海外に行った時に食べる味にすごく近くて、未知との遭遇というか、すごく新鮮な体験でした」と今回の企画を楽しんだ模様の丸山シェフ。シェフオリジナルのデザートも好評でした!

カレー対決の結果はいかに・・・?
後攻はチャダ氏が「北インド風カレー」をプレゼンテーション。残念ながらレシピの詳細は(公開するのも恥ずかしいので)非公開でしたが、参加者の中には「やはりカレーはこれでなくちゃ」と3皿を完食した強者もあり、イメージ通りのカレーらしい味が、"それなりの"支持を獲得していた模様です。

「北インド地方をイメージしたチキンカレーです。ターメリックライスにレモンを絞って食べてください」と自らのカレーをアピールするチャダ氏

そして厳正なる審査の結果、"23対9の大差"でシェフ ワトソンと丸山シェフのペアによる「海老とカボチャのカレー」が見事に勝利したのでした。勝因としては、ある意味で独創的すぎるシェフ ワトソンのレシピに対し、チキンスープにはフォンドボライユ(鶏のブイヨン)を使ったり、100匹にもおよぶ海老の殻からブイヨンを採ったりと、フレンチの丸山シェフならではの工夫やアレンジが随所に加えられていたことが味の高評価につながったようです。

盛り上がった審査発表。シェフ ワトソンとのペアでカレー対決を制した丸山シェフと、悔しさをにじませつつ敗戦の弁を述べるチャダ氏

音声読み上げを「ちょい足し」した、Bluemix x Watson アプリ体験

イベントの後半では、特別に制作されたBluemixとWatsonとを利用したTwitterアプリのデモンストレーションが行われ、参加者も実際に体験することができました。


アプリは、Bluemixに用意されている代表的なWatsonサービス、「Watson Question & Answer」が提供するAPIを利用したものです。Corpusと呼ばれるWatsonのための知識データベースに対しTwitter経由で質問を投稿、瞬時にWatsonから回答が届きます。さらに、まさに「ちょい足し」として、回答は画面に表示されるだけではなく、「Pythonスクリプト」で音声合成エンジンのFestivalが読み上げ、最終的にはぬいぐるみの下に設置されたスピーカーから、音声として出力されるという仕組みです。
Corpusの対象ジャンルが「旅行」と「医療」の2つに限定され、しかも対応言語は英語のみということで、多少の制約もありましたが、参加者達は、ぬいぐるみから流れ出るWatsonからの回答を"聴き"ながら、その高度な自然言語処理能力の一端を体験することができたようです。

今回のアプリはBluemixを利用して2時間程度で作成されたものということで、無料で試用ができるBluemixに早速、登録した参加者もいたようです

そして、やはりIBM Watsonと言えば2015年10月1日から日本IBMでもエコシステムパートナーの正式募集が開始されるタイミングということで、IBM Watsonに関する概況を今後の展望を含めてCHANGE-MAKERS事務局の西川が解説をさせていただきました。参加者であるエンジニアの皆さんにとっては非常に関心の高いテーマであったようです。


丸山シェフ プロフィール

丸山智博(まるやま ちひろ)
1981年生まれ
化学科専攻の大学を卒業ののちフランス料理の道へ。
ジビエの名店外苑前「ラミ・デュ・ヴァン・エノ」の榎本シェフに師事。
中目黒、原宿のビストロの料理長を経て、
2010年にデリカテッセン併設の一軒家フレンチビストロ メゾンサンカントサンク(代々木上原)を立ち上げる。
2012年フランス料理店 レストラングリ(代々木上原) オープン。
2013年株式会社シェルシュ設立。
2014年居酒屋 ランタン(代々木上原) オープン。
2014年株式会社ナインストリーズ設立。
2014年デリ&レストラン ナインストーリーズ(代々木上原) オープン。
2015年ワインバー バーアヴァン メゾンサンカントサンクオープン。

レストラン運営の他、ケータリング、レストランコンサルティング、フードコーディネーター、メニュープランニング、ショップディレクションなど、食にまつわる多岐で活躍。

近年ではParisのレストランシェフとの交流も深く、イベントを定期的に開催。