×
最新の人気コンテンツ情報をまとめた
メールマガジンをお届けします

ページトップへ
日本IBM株式会社(以下:IBM)と株式会社NTTドコモ(以下:ドコモ)は、2017年8月8日に1次産業向けのAIを活用したIoTソリューション開発と、営業に関する協業を発表した。通信領域では、次世代の5G規格を東京オリンピック・パラリンピックの開幕に合わせる形でのスタートがすでに視野に入っている。

今後国内では、ドコモがIoTできわめて重要な役割を果たしていくことが考えられるだろう。加えて、すでにグローバルでIoTビジネスに精通しているIBMとドコモ双方の知見を組み合わせた協業は、IoTビジネスの領域において非常に強いタッグマッチになると期待されている。


NTTグループのAI技術を活用

今回の2社による協業は、NTTグループのAI技術である「corevo®」を活用してドコモが開発したAIである「自然対話エンジン」、ならびに「画像認識エンジン」と、IBMのIoT分析プラットフォームを連携させたソリューションとなる。

corevo®はNTTグループで共用できる人工知能技術で、さまざまなパートナーとのコラボレーションを加速させる大きなツールとなっている。名称として採用されているcorevo®という言葉も「Co-revolution」からきている造語であり、そのロゴにはプレイヤーとのコラボレーションによって無限の可能性を秘めた多くの価値が生み出される様子が表現されているのだ。

NTTグループでは通信キャリアとしての強みを活かすため、「Agent-AI」「Heart-Touching-AI」「Ambient-AI」「Network-AI」といった、4種類の方向性を位置付けており、今回の協業でもその要素技術が利用されている。また、IBMとドコモ両社の技術を融合させたことにより、センサーなど従来のIoT機器から取得した数値情報だけでなく、カメラ画像や音声などの情報を複合化し、プラットフォーム上で蓄積・分析することが可能になるのが大きな特徴だ。そして、これまで以上に精度の高い解析結果をもたらすことができる点が、大きなメリットになるという。

IBMはIoT分析プラットフォームを提供

今回IBMが提供するIoT分析プラットフォームは、すでにIBMコーポレーションが全世界で約6,000社を超える顧客に対し提供されているものだ。あわせて、1,400社を超えるパートナーとのエコシステムを構築しているものだけに、その信頼性は極めて高く、NTTグループにより開発されたAI技術との親和性も高い状況にある。

具体的な利用例として

今回両社のプレスリリースには、実際の利用例も示唆されている。例えば、これまで農業分野で活用されているIoTサービスにおいては、センサーから水温、気温、水位等のデータを取得し、農場の状態の監視や作物がどのような状態であるかの可視化、予測等のレベルに留まるものがほとんどであった。だが、これに画像データを加えることにより農作物の視覚的な情報が計測されるため、病気の兆候や生育状況など具体的な把握可能となり、病気を未然に防ぐことや、収穫の最適なタイミングがより具体的に予測できるという。

また、音声に対応することで熟練の農業従事者の経験、知識に基づく助言等を随時音声で取得し、さらに取得時の気候・環境データと関連付けることで、可視化が難しかった栽培技術と気候条件の新たな判断ロジックを解析に加える。これにより、経験が浅い従事者でも熟練者の判断が可能となり、農作業の稼働削減だけではなく、雇用拡大が期待できるとしているのだ。IoTというと、どうしてもデータ取得が主体に思われがちだが、ドコモの得意とする映像や音声を加味することにより、これまでにない精度の高い情報の生成すが可能となった。今回開示されたIoTソリューションは、2017年9月中旬から提供予定となっており、費用等は案件により異なる。

今後、IBMとドコモは今回のソリューションを含めた法人向けのIoTビジネスの拡大に向けて、IoTソリューションの開発と営業という2つの領域で覚書を交わし、具体的な協業を進めていくことになる。両社の技術を活かす形で、どれだけ1次産業の課題解決を視野に入れた、新しい協業ビジネスモデルがIoT領域で登場することになるだろう。非常に注目されるところだ。

<参考・参照元>
報道発表資料 : (お知らせ)1次産業向けにAIを活用した新たなIoTソリューションを提供 | お知らせ | NTTドコモ