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2017年7月、マサチューセッツ工科大学(以下:MIT)の人工知能研究所(CSAIL)が開発、公表したディープラーニングアルゴリズムが話題となっている。具体的には、AIが食品の写真を分析することにより、写真に写っている食品を作るために必要な材料を特定、その作り方を示したレシピまで見つけてくるというのだ。どんな食品でも写真さえあれば、使っている材料や調理方法がまるまるわかってしまう驚きの時代が到来するのも、そう先のことではないのかもしれない。

AIというと、米国内でも西海岸の研究機関や企業のラボ主導のイメージが強いが、MITなど東海岸に位置する老舗の研究機関による開発もかなり進んでいるのだ。開発においては全米の学校だけでもしのぎを削っている状況であり、その層の厚さは想像以上のもだということが垣間見えてくる。


正解確率は65%程度

前述したように、このディープラーニングアルゴリズムを開発したのはMITの人工知能研究所(CSAIL)である。同研究所が一般に開示しているホームページによれば、このシステムではまず膨大なデータベースを照合し、映し出された食品が何かを解析するという。

人間ならばその食品がカレーなのか、クッキーなのかということは一目瞭然であるが、AIはまずそこから手がかりを見つけることになるだろう。このプロセスの結果、写真に映し出された食品が何かということが結論付けられると、次はそのレシピを見つけるのだ。また、正しいレシピを選択できる確率は現状65%程度である。


レシピの選択が大変な作業

研究段階では、およそ100万件のレシピをWeb上のレシピサイトから収集し、材料などの情報を紐付けて分析している。つまり、ディープラーニングベースのAIは、この気が遠くなるほどの膨大なデータから画像と材料、およびレシピの関係を見抜き、内容にマッチするものを探し出す作業を行っているのだ。

しかし、隠し味や珍しい材料が入っているものの発見は難しいそうだ。研究成果によると、もっとも正確に作れたのはクッキーやマフィンといったデザートであり、現段階ではシンプルな材料で作れる食品レベルにとどまっている。反対に巻き寿司やスムージーのような、何が入っているか曖昧な食品の特定は苦手であることが明らかとなった。

注目すべきは画像から内容を判断するというプロセス

まだまだ始まったばかりの画像ベースのレシピ・材料の特定だが、これは利用すればするほど精度が上がることが容易に期待できそうだ。そして、この開発で注目すべきは写真から内容をディープラーニングアルゴリズムが判断できるようになる、ということである。

これまで、同じ画像をWeb上から探してくるという技術は検索エンジンでも可能なことだった。しかし、写真からその中身を紐付けて提示してくれるという技術はかなり新しいものであり、レシピにこだわらなくともかなりの応用範囲を提供してくれることが予想される。

実用化にむけた、たゆまぬ取り組みが重要

AIの実用化にむけて非常に強く感じるのは、米国の大学を中心とした研究機関が次々とその実験成果を公表し始めている点だ。単なる実験段階から、一段と実用化段階に近い取り組みを行っていることが注目される。

また、国内勢と比べると米国勢の開発スピードとその関与度がきわめて高くなってきているようで、想像以上に差をつけられかねない状況となっていることが窺える。AIは実際の利用が各所で始まっているだけに、リアリティの高い実験や開発が求められるようになってきた。国内勢も米国の大学や企業の研究機関に大きな溝を空けられないように、より積極的な努力を望みたいところだ。

<参考・参照元>※リンク先英文記事
Artificial intelligence suggests recipes based on food photos | MIT CSAIL