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自動運転車のマーケットは、IoTを利用した機器の市場としては世界最大とも目されているが、その自動運転車の公道実験がいよいよ米国カリフォルニア州で開始され、実用段階に弾みがつきそうな状況となっている。

引用元:Ivan Kurmyshov / Shutterstock.com

すでに大手IT企業や自動車専業メーカーが許可を取得

米国カリフォルニア州車両管理局(以下:DMV)のサイト内にあるリストによると、2017年5月の段階で30社の企業が、公道で自動運転車を試験できる許可を取得しており、世界的に見てもカリフォルニア州は自動運転車の実証実験場とされていることが分かる。そして、そのDMVから試験許可を得ている企業の顔ぶれが、さらに興味深いものといえる。

引用元:Application Requirements for Autonomous Vehicle Tester Program|State of California Department of Motor Vehicles(リンク先英文記事)

まず、既存の自動車メーカーとしてはフォルクスワーゲン、メルセデスベンツ、日産、GM、BMW、ホンダ、フォード、スバル、テスラモーターズなどが名を連ねている。またIT系では、Waymo(ウェイモ)、レノボ、アップルなどが既に登録を済ませている。このリストで顕著なのは新規のプレーヤーが多いことで、その中にはUber、Baiduのような全く違う領域からの新規参入者の姿も目立つ。

3つの事業参入者が、どのような形で市場のイニシアチブを握っていくことになるのかが非常に注目されるところである。Googleは7年に渡り進めてきた自動運転車プロジェクトを一旦凍結し、Waymoというベンチャーにその開発を移管し既存の自動車メーカーとの協業を目指す方向に事業を転換している。その一方、自社で独自に自動運転車の実験に本格的に乗り出している企業も目立ちはじめている。

Uberに続きアップルも公道実験を開始

Uberはすでに米国アリゾナ州やピッツバーグで自動運転の実験を開始していたが、2017年3月にアリゾナ州で無人運転中のクルマが衝突事故に巻き込まれたことから、事故原因の調査が完了するまで実験を全面的に中断するとした。しかし、数日後にはサンフランシスコで試験運用を再開している。また、アップルとみられる自動運転車が公道での実験を開始しているのも、いくつかのメディアで報じられている。Bloombergが真っ先にこの内容を報道しているのに加え、MacRumorsがレクサスRX 450h SUVをベースとしたアップルの実験車両の映像を公開している。



多くの既存IT企業は、自社だけの独自開発の自動運転車から既存の自動車メーカーとの協業による開発に舵を切りつつあるが、アップルの場合は今後自社ですべてを開発する方向を継続するのか、協業を中心としたビジネスモデルにシフトするのかが注目される。2016年の夏、自動運転EVの自社開発に対する遅れを挽回するために、アップルはボブ・マンズフィールド氏をリーダーとして、独自開発の領域をEV(電気自動車)から自動運転のみへと絞込みをはかっている。Bloomberg Newsによる報道では、アップルはこの方針変更以降独自だけの開発からフォルクスワーゲンや、BMWなどへの自動運転技術のライセンス提供に話し合いの機会を持っているとされ、他社との連携による市場参入も模索しているものと見られる。

トラックの領域でも実験が進む可能性

アップルとEVの主力メーカーであるテスラモーターズは、米国政府に対して長距離トラックのような大型車両の自動運転化についての許可を求めている模様で、自動運転車の利用領域は想像以上に拡大の一途を辿っていることがわかる。テスラモーターズはすでに電動トラックのシルエットを公開しはじめており、こうした大型車両に自動運転の機能が織り込まれることになればトランスポーテーションの領域にも大きな変革がもたらされることになる。

新規参入プレーヤーの動向に気になるところ

自動運転の領域では新規プレーヤーの動きも気になる。Uberは前述のように自動運転車の公道実験をすでに進めており、この領域の新規プレーヤーの中ではもっとも積極的な存在となっている。また、GPU(グラフィック処理ユニット)の開発領域において、かなり先行しているNVIDIAの技術を使い自動運転システムを開発する自動車メーカーも増えてきており、すでに市場は実際の利用に向けて群雄割拠の状況が続いていることがわかる。

今後、自動運転車の実現に当たっては、さらにシステムの統合やフォーマット化が進むことが予想され、果たしてどの技術がメジャーなポジションに躍り出ることになるのかが、市場全体の大きな関心事になりつつあるといえる。ビデオテープやDVDのフォーマットを巡って、結局勝者と敗者が明確になるといった事態に追い込まれたことは記憶に新しいが、自動運転も社会インフラとしての色彩が極めて強いだけに、複数の仕組みが市場に生き残れるのか、さらに粛清が進むのかがその普及に向けての大きなポイントとなりそうだ。

<参考・参照元>※リンク先英文記事
State of California Department of Motor Vehicles
Check Out the Lexus That Apple's Using to Test Self-Driving Car Technology |Bloomberg
Watch Apple's self-driving car cruise down the California highway| Roadshow