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本稿では、今回参加したInterconnect 2017のセッションの中で、個人的に一番ワクワクしたセッションである「Future of the Cloud」というキーノートセッションをご紹介したいと思います。

前回のレポートにも書いたとおり、Interconnect 2017で繰り返し強調されていたのはデジタルイノベーションのコアとなる「コグニティブ(AI)」とその知見を引き出す源泉である「データ」に関連する 内容でした。
今後のビジネスイノベーションを生み出すアーキテクチャーはクラウドネイティブなデザインに従うべきだとIBMはここ数年で何度も強調しており、だからこそInterconnect 2017ではこのテーマに関連するセッションで溢れかえっていたのでしょう。

次のクラウド・インフラストラクチャーの未来

問題は、そうしたコグニティブ時代、クラウドネイティブな時代を支えるためのインフラストラクチャーとしてIBMはどのような施策を考えているかということです。
IBMは、コグニティブサービスだけでなくデータを保管・管理し分析を行うWatson Data Platformや、コンテナー・ランタイムやDevOpsとの連携を行うクラウドネイティブなアプローチを推進していますが、データは毎年倍々に増えていっておりビジネススピードが加速している中、今までの仕組みで本当に大丈夫なのかという懸念がないわけでもありません。
こうしたワークロードを動かすインフラストラクチャーとして、IBMはどのような投資・検討を行っているか、その一端を話してくれたのがこのセッションでした。
Interconnect 2017ではインフラストラクチャー関連の話がほとんどありませんでしたが、このセッションはまさにIBMが考える次のクラウド・インフラストラクチャーの未来(Future of the Cloud)を語ってくれたのです。
今回は高パフォーマンスで低コストなクラウドプラットフォームを作り出す源泉として、特に3つのイノベーションについて説明がありました。

1つめのイノベーションはサーバーです。
従来のサーバーは、電源やディスクが各ボードに付属しています(下図左)。クラウドが複数のサーバーから構成されることを考えると、一見これは当然の仕組みのように思います。
しかし、本当に最適な形になっているのでしょうか?
例えば、電源コストはクラウドで大きな比重を占めていますが、小さな空冷ファンを使って冷却するためには、より早く回転させる必要があるため、全体の電力消費量は馬鹿にならないものになります。それを避けるためには、ラックレベルで大 きなファンを1つ設けるほうが効率はいいのです。
IBMが考えているコグニティブ時代を支えるクラウドインフラストラクチャーは、下図真ん中のように、電源もディスクもファンも取り除いてしまう構成です。
場合によっては、下図右のように、この空きスペースにGPUなどを取り付けます。こうすることで、よりクラウドに特化したサーバーを作ろうとしています。

2つ目のイノベーションはPCI attached SSD storageを利用したディスク層の高速化+高収納性です。これにより、ストレージsledあたり3百万IOPS以上のストレージ性能をもたらそうとしています。

そして、3つ目のイノベーションはネットワークです。
クラウドの問題の多くはネットワークに最終的に帰結するものが多く、ストレージ性能を上げてスケーラビリティーとパフォーマンスを確保するために一番問題になるのも最終的にはネットワークになるので、これは当然の要求です。
他社の中には独自のTOR(Top of Rack)を作成したりSpine-Leaf構成を組むことでネットワーク性能の改善とコスト低下を図ろうとしていますが、IBMはこうした既存ネットワークトポロジーの限界を超えて、いわゆるスーパーコンピューターなどの分野で利用されている3Dトーラスのトポロジーを検討して高性能・低遅延のネット ワークを検討しています(下図左)。
重要なのは、こうした3Dトーラスのネットワークを構成するために沢山のケーブルを這わせるのではなく、"Passive optical shuffle box"(下図真ん中)を利用することで、ケーブルを差し込めば自動的に3Dトーラスのネットワークを構成できる技術を利用していることです。
そして、こうした技術を支えるためにIntel社との協業で下図右のような新しいfabric cardの開発を行っているようです。このfabric cardを利用するとスイッチングやルーティングやパケット操作がTerabit/secのスケールで実現でき、耐障害性やネットワークのテナント分離を支える根源になっているようです。これは凄いですね!
fault torelance/capability/isolated network/resource in cloud

IBMはIntel社をはじめとした様々なパートナーと協業関係を結んでいますが、これはIBMが良いと思ったオープン技術を積極的に採用していることにも起因していると思います。
今回はインフラストラクチャー分野のイノベーションの一端に触れることができましたが、今後続報が発表されてくるようです。
楽しみですね!

参考情報:
Passive optical shuffle boxの概念は下記記事を参照。
Passive Optical Interconnects: Affordable and Scalable for System Integration
http://www.connectorsupplier.com/passive-optical-interconnects-affordable-scalable-system-integration/