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東洋大学では2017年4月から新たに4つの学部を新設することとなっているが、その内の一つである情報連携学部の赤羽台キャンパスが、オープンIoTビルの基盤となるアーキテクチャーを盛り込んだ、いわゆるIoTキャンパスとして新設することが分かった。同学部では既にその概要をホームページ上で公開しているが、最先端のIoT技術をふんだんに採用した新しい未来型のキャンパスが登場することになる。


学部長には東京大学・坂村健教授が就任

同学部の新設に当たっては、東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授である坂村健氏の就任が決定しており、坂村氏自らがこのキャンパスの建築設備や内装を担当している。坂村氏は、ユビキタスコンピューティングやIoTの先駆けとなるリアルタイム分散型アーキテクチャー「トロン」の提唱者として知られており、同学部キャンパスは同氏のこだわりを感じさせるトロンOSが随所に織り込まれた仕様になっているという。

日刊工業新聞の記事によると、その他にも以下のような取り組みが導入されることが分かっている。

“東洋大が新設する「赤羽台キャンパス」ではドアやロッカー、照明、エレベーターなどの設備制御に組み込み用のトロンOS(基本ソフト)を採用し、機器をクラウドに直結する。同フォーラム(※)が標準化した位置情報コード「uコード」のタグでモノや個人の位置情報を取得し、目的地までの経路誘導や学生の出欠確認・入退室管理、場所に合わせた電子掲示、部屋ごとの照明・空調制御によるエネルギー最適化も行う。さらに気象・公共交通機関・事故情報といった学外のオープンデータと連携し、事故発生時の警告・誘導などにも役立てる。”
引用元:東洋大が“IoTキャンパス”新設へ。ネットにつながるモノや人の数は約5000|ニュースイッチ 日刊工業新聞
(※)トロンの普及推進団体であるトロンフォーラムを指す。

つながり(連携)にフォーカスした学部

この情報連携学部は“つながり”にフォーカスした学部である点に新しさを感じる。情報連携学部の公式サイトには、“つながり”に特化して未来を切り開く人材を育てようという強い意志を感じる以下のような文章がある。

”人びとが持つスキルや能力のつながりが生み出す、新しい可能性。あるいはシンプルな機能やサービスのつながりがつくる、新しい豊かさ――「つながり(連携)」は、いままでにない製品やサービスの実現を可能にします。情報連携学科が展開するのは、ICT(情報通信技術)を活用して人をつなぎ、技術を活用して、これまでにないもの・新しい価値を実現するための学びです。”
引用元:挑戦:新学部・学科の設置 情報連携学部 情報連携学科 | 東洋大学入試情報サイト TOYOWebStyle

IoTはかなり社会に浸透し認識されはじめているが、実際のIoT社会がどのようなものにるのかという具体的なイメージはまだまだ可視化されていないのが現実だ。その中にあって、キャンパス自体をIoTに対応させ、学生に日々IoT化の現実を体感させていく場が提供されるという東洋大の新たな取り組みは、今後の人材育成の在り方においても非常に重要な意味を持つことになるだろう。同学部の1年次においては、コンピュータ・プログラミングとコミュニケーション・スキルの基礎を身につけることに注力した学習を進め、2年次以降はビジネス・コース、シビルシステム・コース、エンジニアリング・コース、デザイン・コースなどに分かれ、様々な側面からIoTを実現する力をチーム実習の形で習得することになる。

水平統合志向の人材が育成されることに期待

足元のIoT開発においては、多くの企業が垂直統合に対する経験はあってもなかなか水平統合に対する柔軟な思考を持ち合わせていないことから、自社のIoT利用についても柔軟性のある開発やアライアンスにこぎつけられないケースが非常に多い。しかし、東洋大のような新しい取り組みによって、IoTに関して柔軟性のある発想をもってビジネスを作り出したりエンジニアリングを実現できる人材が多く輩出されることになれば、IoT社会もその実現に向けてより速度を増して進化していくものと期待されている。今後もこの学部の実際の取り組みについて注目していきたいところだ。