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米IBMは米国時間の12月15日、BMWグループと自動車におけるコグニティブコンピューティング技術「Watson」の活用について協業する旨を発表している。
プレスリリースの内容によると、WatsonとIoTを蜜に連携させるソリューションを利用し、ドライビング体験のパーソナライズ化や直感的な運転支援を実現する方法を探るということを発表している。
今回の提携では、ドイツ・ミュンヘンにあるIBMのWatson IoTグローバル本部内に両社共同の研究チームが設置されることになる。

引用元:IBM and BMW | Flickr

IBMの「collaboratories」利用の最初の顧客となるBMW

10月、IBMはWatsonコグニティブコンピューティングのグローバルベースでの商業化に30億ドルを投資することを決定しており、そのうちの2億ドルがミュンヘンにおけるWatson IoTグローバル本部の施設に投資されている。BMWもこのミュンヘンに本社を設置していることから、IBMが新たに導入した協業研究室である「collaboratories」を利用する最初の会社となる。この研究室では、BMWのエンジニアがIBMの技術者や開発者、コンサルタントと一緒に働き、Watsonの利用によりドライバー向けのデジタルアシスタンスをいかに向上できるかの研究に努めるという。

YouTube|BMW and IBM: Cognitive Research for Cars of the Future

「BMW i8」による実験が決定

この研究チームは、BMWのハイブリッドスポーツカーである「BMW i8」を使用し、Bluemixクラウドプラットフォームを基盤として稼動する会話型インターフェースの試作システムを実証する。Watsonの機会学習技術がドライバーの好みや習慣といったものを理解することで、より安全で快適な運転環境を提供していくことが可能になる。クルマの操作マニュアルの内容も、運転しながらWatsonに自然に会話する形で訊ねることができるようになるという。さらにIBMが既に保有するWeather Companyによる気象予報データや道路状況データなども統合することにより、リアルタイムで最適な運転経路の提案を得ることができるようになる。

クルマは今後6つの方向性を辿る

IBMの研究によると、クルマは今後次のような性格を帯びたものになるという。6つの方向性についてご紹介しよう。

セルフ・ヒーリング
クルマは自ら診断して不具合を直すことができるようになるという。さらに人の助けがなく、問題を抱えているその他の車の修理も可能になると予想されている。
セルフ・ソーシャライジング
クルマは他のクルマやそれらを取り巻く世界と繋がりを持つようになる。
セルフ・ラーニング
認知機能を持つクルマが、ドライバーや助手席の同乗者、さらには他のクルマの動きをベースに継続的な学習を行うことで様々なアドバイスができるようになる。
セルフ・ドライビング
既に自動車業界では様々な取り組みが現実のものとなっているが、クルマは部分的な自動運転から完全な自動運転へと移行することになる。
セルフ・コンフィギュアリング
ドライバーの好みや利用状況に応じて自らを調整していく能力をもつようになると予想されている。シートの高さや位置、お気に入りの目的地まであらゆることが自在にパーソナライズ化された設定になっていくという。
セルフ・インテグレーション
他のスマートデバイス同様、こうしたクルマたちは、道路情報や気象情報のようなクルマを取り巻くあらゆる流動的な事象の情報と繋がることで、IoTの世界の一部分として自らを統合していくことになる。

こうした機能をクルマに的確に実装できるようにするためには、Watsonのコグニティブコンピューティングの活用はもはや必要不可欠のものとなっており、今後益々自動車業界とIT業界は有機的な水平統合の実現のために協業を深めていくことが予想される。今回のIBMとBMWグループの協業は、ITと自動車、双方の業界におけるフラッグシップカンパニー同士の協業としてその先陣を切るものであるだけに、今後開発がどのようなスピードで実現・業界標準化していくことになるのかが非常に注目される。
<参考・参照元>
IBM News room - 2016-12-15 BMW Group to Start Research with IBM Watson - United States|IBM(リンク先英文記事)