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米GM(ゼネラルモーターズ)は10月26日、ドライバー向けの新サービスである「OnStar Go」の提供に伴って同サービスに米IBMのコグニティブコンピューティング「Watson」を採用することを発表した。
これはラスベガスで24日から開催された「IBM World of Watson(WoW)2016」の会期3日目に開催された、GMのMary Barra CEOと、IBMのJinny Rometty会長兼社長兼CEOの基調講演のなかで発表されたもので、自動車業界でコグニティブ・コンピューティングを採用するのは今回が初めてになるという。

画像引用:米GM、ドライバー向けサービス「OnStar Go」にIBMの「Watson」を採用

「OnStar Go」とは

OnStar社はGMの子会社で、1996年に営業をスタート。万一の事故や故障などの際に自動で緊急連絡を発し、GPSを使って自動車の位置を正確に知らせるサービスにより安全性の確保を目指した「OnStar」は次世代型車載システムの先駆けとなった。OnStarはすでに1200万台で利用されサービスを拡大してきたが、今回OnStar Goとしてさらにその内容を進化させ、2017年後半からの提供開始を予定している新たなサービスとなる。導入初年度には4G LTE接続が可能な200万台以上の自動車で利用できるようにするとされており、現時点では、シボレー、キャデラック、GMCなどの27車種に搭載する計画であることも明らかにされている。さらにOnStar Goに対応したモバイルアプリを利用することで、スマートフォンからのアクセスも可能となる。

パーソナルアシスタントとしての機能を発揮する「OnStar Go」

新たに導入されるOnStar Goでは既存システムの安全とセキュリティの追求に加え、パーソナルアシスタントしての役割が強化され、これまで以上に使いやすい機能が付加されることになる。これによりOnStar Goはドライバーの生活全体を支援するものへと成長し、より安全性を高めるシステムとなるわけだ。既存のOnStarという強力な基盤の上に、ネット接続とWatsonとの組み合わせを実現することにより、よりカスタマーインサイト・ドリブンでテーラーメイドなサービスを提供することを目指していくという。操作はクルマに搭載されたダッシュボードを通じて行ない、直感的なタッチスクリーンインタフェースを採用し、この部分についてはIBMが開発を行うとしている。

すでに幅広い事業者と提携を開始

GMではこの新たなサービスの付加価値を高めるために、すでに複数の事業社との提携を発表している。現段階で公表されているのはエクソンモービル、Glympse、アイ・ハート・ラジオ、マスター、Parkopediaなどで、今後こうした提携はサービスの精度が高まるとともに拡大されていくことが予想される。
たとえば燃料関連で提携が発表されているエクソンモービルでは、ドライバーがすばやくエクソンモービルのガソリンスタンドを見つけられるように、コグニティブモビリティプラットフォームを使用する。またGlympseは位置情報技術を活用することで、リアルタイムの位置情報を共有して各種サービスに活用する。アイ・ハート・ラジオは、個人カレンダーやソーシャルグラフ、場所、好みなどの情報をもとに音楽などの最適なコンテンツを提供し、よりパーソナライズされた使い方に対応していく。マスターは「マスターデジタルイネーブルメントサービス(MDES)」の提供により、デジタル決済サービスを提供していく。さらにParkopediaは詳細な駐車スポット情報を提供し、ボタンをクリックするだけで駐車場の支払いを完了できるサービスを実現する。このように自動車を軸にした生活の様々なシーン、プロセスでOnStar Goを利用して便利で安全なサービスを提供していくことが可能となる。

IBMのRometty会長兼社長兼CEOは、OnStar Goを「コグニティブモビリティプラットフォーム」と表現しており、「米国人は、1日平均46分をクルマのなかで過ごしていることから、人生のうちクルマのなかで過ごす時間は3万7000時間にものぼる。その時間をいかに快適に過ごすかは重要な要素である。」と指摘している。
また、GMのBarra CEOは、「今後5年間の自動車業界は、過去50年間よりもはるかに大きな変化が訪れると考えている。それは、個人を中心にしたモビリティの変革が訪れるからだ。コネクティビティや自動化、シェアリングといった動きがあるが、いずれも個人を中心とした、新たなモビリティを現実のものとする意味ではこうしたサービスが欠かせないものとなる。」と解説している。

OnStar GoとWatsonの出会いは今後の自動車業界のIoT事業におけるキーソリューションとなりえるという点で非常に注目を集めている。

参照:IBM News releases
Hello, OnStar -- Meet Watson(リンク先英文記事)