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IoTが進展する中業界では新たな戦略的提携が相次いでいるが、今回AWSと米国のAT&Tも戦略的提携を発表している。内容はクラウドをはじめとして、今注目のIoT、そしてネットワークへと多岐の領域に広がっている。


業界の雄が仕掛ける戦略的提携

クラウド市場においてAWSは、自社で開発・利用したシステムをクラウドの形で先行して事業化したことが功を奏し、米国市場では特に大きなシェアをもつクラウドサービスプロバイダーとなっている。既存のITベンダーとはまったく違うアプローチでこの市場に乗り込んできたが、今ではAmazonにおける収益の柱を担う存在にもなっており、世界的にも主要なクラウドソリューション企業へと成長している。
一方、AT&Tは米国の電話会社として1885年に設立され、1984年に分割されて、さらに1995年にも再分割され、今のビジネス形態となっている。現在では長距離通信と携帯電話事業を柱としたベル・ラボラトリーズの25%の事業を引き継いだ形であり、また同社は、世界最大の長距離ネットワークとデジタル式ワイヤレス・ネットワークをもつことでも有名な存在となっている。
今回、この二社が提携した最大の目的は、AWSにおける既存クライアントと新規のクライアントがAT&Tのネットワークを利用できるようにすることだとされている。AT&Tネットワークの利用が可能になることで、AWSはクラウドネットワーキング、モビリティ、IoT、セキュリティ、アナリティクスという、IT業界がしのぎを削る領域へと、さらに深く参入していくことを大きな目論見としている。

よりセキュアで信頼度の高いサービスを提供可能に

クラウドソリューションはスタート当初、クライアント自身が必要なプレーヤーを取捨選択することにより、ベストオブブリードの形態でそのクオリティを高めることを余儀なくされていた。しかし足元の市場ではクライアントにワンストップでクオリティの高いサービスを提供することが必須の時代となってきており、今回のような提携はAWSのビジネスとって意味の大きなものとなる。とくにハイブリッドクラウド領域では、AT&Tのサービス提供は大きな武器となることが予想されている。

具体的な提携内容について

今回発表された提携内容には以下のようなものが含まれる。

・ネットワーク統合
AT&Tが提供する「NetBond」と呼ばれるプラットフォームにより、AWSへの安全で確実なプライベートネットワーク接続を実現することができるようになる。またNetBondはセキュリティ面の向上と性能の改善を実現し、視覚化や自動化を実現する新たなソリューションを、両社が連携して構築することを視野に入れているとされている。

・IoT領域
IoTの領域でもAWSとAT&Tの協業を進めることを発表しており、AT&Tのネットワークにあるセンサーがデータをシームレスにクラウドに送れるよう事前設定するとしている。これにより、2,900万台のコネクテッドデバイスを有するAT&Tのグローバルネットワークと、AWS IoTの統合が実現されることとなる。

・セキュリティ領域
AWSとAT&Tは、双方の脅威のデータや知識を組み合わせ、セキュリティプラットフォームを強化するとしている。クラウドソリューションでは特にセキュリティに対するクライアントの期待が非常に高まっており、そのニーズにマッチするセキュリティレベルを提供することは必須の条件となっている。今回の提携でAWSはより強固なセキュリティの提供を手にすることができるようになる。

参考:
AT&T Announces New Strategic Relationship with Amazon Web Services to Integrate Cloud and Networking(リンク先英文記事)