×
最新の人気コンテンツ情報をまとめた
メールマガジンをお届けします

ページトップへ
米国ZDネットがレポートしたところによれば、IBMはWatson IoT事業に関して、顧客とのグローバルなコラボレーションが可能な拠点として、ミュンヘンのWatson IoT部門本部に2億ドルの投資を行うことを正式に発表している。この投資額は同社がミュンヘンのWatson IoT部門に予定している総額30億ドルの投資の一部であり、IoT事業で欧州市場を重視していることを示唆するものとなっている。

IBMの発表では、ミュンヘン拠点におけるこのコラボレーションセンターへの投資はWatson IoTに対する需要の増加に伴うもので約8ヵ月前に4000社ほどだったWatson IoTの顧客は、今では6000社を超えるほどにまで大幅に増加していることに対応したものとされている。Watson IoTは初期のコンセプチュアルなステージから、より具体的なビジネスへと踏み込んだ新しいフェーズへシフトし始めていることを明確に示しているといえるだろう。


IBMがWatson IoT本部をミュンヘンにおいた狙い

今回ドイツ・ミュンヘンに設置されるIBMのミュンヘンのコラボレーションセンターでは、Watson IoT部門が多様な業界の優良顧客との協業により、新たなコンセプトを生み出すためのハブとして機能することになる。IBMの責任者であるHarriet Green氏によれば、ドイツ・ミュンヘンは米国とアジアの中間に位置しており、「インダストリー4.0」と呼ばれるドイツの新たなムーブメントに関わる優秀な人材が集まる地としても注目を浴びていることから、この地を選択理由にあげている。先ごろ、マイクロソフトはフランスにAzure事業の拠点を設置すると発表するなど、欧州へ注目の高まりは世界的に加速しつつあるようだ。その中でも、IBMはドイツのミュンヘンという類まれなる人材と環境とに恵まれた都市にフォーカスし、非常に大規模な投資展開を行っているという点でも革新的だ。

昨年12月にリリースされた発表によると、ミュンヘンの拠点では、IBMの開発者、コンサルタント、研究者、設計担当者など、1,000人体制で スタートしており、顧客やビジネス・パートナーとより深く関わりあいながら、データ・サイエンティスト、エンジニア、プログラマーの革新的な共創拠点としての役割も果たしてきた。また、コグニティブ・コンピューティングとIoTの世界が密に連携する、まったく新しい次元の「つながる」ソリューションを構築する場としていくことが表明されているが、今回のコラボレーションセンターの設置により、さらに顧客との協業体制のレベルが向上することとなる。この取り組みは、IBMの欧州における投資としては、過去20年間における最大規模のものとなるだけに、その力の入れようが感じられる。

顧客との具体的な協業もスタート

IBMは、自動車や産業機械の大手部品メーカーであるSchaefflerと戦略的パートナーシップを結び、事業のデジタル変革を推し進めると同時に、同社のセンサー群を使用したコグニティブツールを展開することを目標とした、複数年契約を結んだことも同時に明らかにしている。このSchaefflerとの契約により、機械学習による風力発電の最適化をはじめとして、電車の監視と最適化、コネクテッドカーやその部品などに関する取り組みなど多様な領域での取り組みを進めることを明らかにしている。

また、米国フィラデルフィア州にあるトーマス・ジェファーソン大学病院は治療のクオリティを向上させ、かつ患者の体験をさらに向上させることを大きな目的としてIBMと共同でWatson IoTを使用した病室を設置することを発表している。

同社が開発するIoT技術は今後も個々人での消費レベルをはじめ、ビジネス、そして政府関連事業といった幅広い領域において大きな影響を与える存在となることが予想されている。IoTは、いよいよリアルな私たちの日常生活や、ビジネス領域へと進出し、その存在を大きく進化させてきていることが鮮明になっている。


参考:
IBM boosts Munich Watson IoT operations, hits 6,000 customer mark(リンク先英文記事)
IBM is making a major $200 million investment in Watson(リンク先英文記事)
IBM、Watson IoT事業のグローバル拠点をオープン、つながる世界の実現に向けてコグニティブ・コンピューティングを拡充