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日本政府も重要戦略と位置付けている「地方創生」。その推進役として期待されているのが、企業の進出です。これまでの常識であれば、地方は地理的にも物理的にも不利とされてきましたが、インターネットの発達により状況が一変しました。地方に可能性を感じて進出するIT企業も少しずつ増えています。その現状に迫ってみました。

各自治体の取り組み

IT企業が地方に進出するうえで決め手となるのが、当地の自治体が誘致に熱心かどうかです。ここでは、各地の動きを見ていきます。

千葉県は、廃校になった校舎など、空き公共施設をサテライトオフィスとして活用する事業を開始。事業費は2500万円で、国の地方創生加速度交付金を活用。銚子、いすみ、南房総市を中心とする県北西部や南部の30市町村が対象。これらの地域では、いっとき隆盛だった工業団地も斜陽となり、人口減に悩んでいます。

そんな中、南房総市では、これまでに福祉センターなどの空き公共施設に7件の企業を誘致することに成功。公共施設の3年間無償貸し付けといった支援策も充実させており、このノウハウを他地域にも展開していきます。東京都心まで1~2時間程度でありながら、自然豊かで静かな環境。喧噪を忘れたい企業、エンジニア、クリエイターには受け入れられるのではないでしょうか。

京都府南丹市もサテライトオフィスを設置し、企業誘致の準備を始めています。南丹市を含めた京都府中部の丹波地方も過疎化が加速しており、企業誘致は喫緊の課題。1月に見学を含めた相談会を、2月に空き家を活用したアイデアコンテストなどを開催しています。京都や大阪へのアクセス面の良さは、大きなPRポイントといえます。

総務省が地方でのテレワークを実証実験

地方自治体の管轄省庁である総務省でも、移住や企業誘致につながる動きをしています。そのひとつが、全国15ヶ所で実証実験を行っている「ふるさとテレワーク推進事業」です。
参考:日本政府によるクラウドを活用した地方創生への動き

この実証実験は、企業そのものよりも移住をする個人を対象にしていますが、ここで得られた行動パターンが企業誘致にも参考になることは間違いありません。そもそも、地方移住をしたいと思っても、実際にそれに踏み切る人はまだ多くありません。やはり仕事ができるのか、医療や教育の機関は充実しているのかを心配が多いのでしょう。

それでも、かつてと異なりインターネットの登場で、地方の距離的・物理的ハンデはどんどん小さくなっています。クラウドソーシングで実績のあるランサーズやクラウドワークス、さらには世界的な企業であるセールスフォースなども、この実証実験に参加しているので、注目してみてください。
参考:
ランサーズ、クラウドワークスも総務省ふるさとテレワーク実証実験を展開
セールスフォースが和歌山県白浜町でテレワークの実証実験を展開

注目を集める徳島県神山町の取り組み

企業誘致に成功している過疎地の代表的存在が、徳島県神山町です。ここは人口5,843人(平成27年現在)の小さな町ですが、光ファイバー網やWi-Fi網の設置、さらには古民家を数千万円かけてリノベーションしたインキュベーション施設まで完備し、IT化に熱心に取り組んでいます。山の中でもWi-Fiにつながってビックリすることもしばしば。

ここに今最も勢いのあるITベンチャーのSansan(東京都渋谷区)が進出したことで、さらに有名になりました。Sansanはクラウド型名刺管理サービスを手がけており、テレビCMでもお馴染みです。同社の「神山ラボ」も古民家を改装したとても風情あるオフィスです。

同社の取り組みで特筆すべきは、開発だけでなく法人営業もこの「神山ラボ」で行っていることです。テレビCMやウェブサイトの顧客事例を見て問い合わせた顧客に対して、Skypeなどを用いてリモート商談を開始。すると、意外なことに受注増となったのです。

進出企業の活躍が、地方創生のカギを握る

Sansanのリモート営業の成功は、対面一辺倒だった営業の常識に変革を与えています。この動きが他社にも広がれば、地方での働き方がさらに豊かになるはずです。

この他では、ポート(東京都新宿区)が宮崎県日南市に「日南オフィス」を開設し、仕事や旅行、健康などに関するインターネットメディア記事の制作・編集を行っています。加えて、2020年度までに92人を採用する方針。こうした進出企業の活躍によって、地方創生に拍車がかかることに期待したいです。