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IBM FinTech Meetupから2回目のレポートをお送りします。今回は、実際にFinTechによって成長している企業として、マネーツリー株式会社の事例をご紹介。同社の資産管理アプリは「家計簿より楽チン!」とユーザーから大好評!同社が描いているFinTechのビジョンとはどんなものなのでしょうか。

イージー&シンプルで圧倒的な支持を得ている「Moneytree」

登壇したのは、マネーツリー株式会社 取締役 兼MT LINK最高責任者のマクダッド・マーク氏。同社はiOS向けの資産管理アプリ「Moneytree」を提供しているFinTechスタートアップです。まずはMoneytreeについて、少し説明します。


特徴の一つ目は、複数の金融機関、金融資産を一括管理できること。現代社会における「お金」はあまりに多岐に別れています。ほとんどの人が複数の銀行口座を開設し、さらにはクレジットカード、ポイントカード、電子マネーなどまであります。この状況では、自分自身の資産を正確に把握できている人はほとんどいないでしょう。しかし、それを可能にしたのがMoneytreeなのです。

Moneytreeのファーストビューでは、銀行口座、クレジットカード、電子マネーなど、登録した全資産の現状を明快に把握できるようになっています。さらにiPhoneを横置きにすれば、資産支出状況が自動で月次グラフ化されたりします。あまりにシンプルでありながら、資産状況を明快に把握できるのです。

このシンプルさを可能にしているのが特徴の二つ目。Moneytreeは自動的に登録した口座から利用明細を取りに行っているのです。このおかげで、常に最新の資産状況が把握できるというわけです。もちろん、従来の家計簿アプリのように、手動で現金を何に使ったか入力することも可能です。

特徴の三つ目は、デザインはもちろん操作性も考え方もすべてにおいてシンプルであること。世間には「カンタン!」「サルでもわかる」といったキャッチコピーのサービスが溢れていますが、実際は注意書きが長かったり、操作が煩雑だったりします。その点、Moneytreeの文章は簡略化されており、すぐに使うことができます。このイージー&シンプルなアプリにハマったユーザーは数多く、アップル公認のApp Store BEST OF 2013およびBEST OF 2014最優秀アプリに選ばれました。これは、家計簿アプリのようなカテゴリー別の最優秀ではなく、全アプリ中でのナンバーワン。しかも2年連続ですから、どれほどの支持を得ているか理解できます。

FinTechは別に新しくない!?

そんなクールなアプリMoneytreeのバックエンドで動いているアカウント・アグリゲーションシステム(複数の金融口座情報を集約して表示するシステム)が「MT LINK」。セールスマネージャーであるマクダッド氏はこのMT LINKの最高責任者でもあります。


MT LINKは自社のMoneytreeだけでなく、弥生会計、TKC、アックスコンサルティングといった他社のクラウド会計、請求・給与ソフトにも導入され、複数口座の集約管理で実績を上げています。その勢いに乗って、「さぁ次は金融機関のシステムにも導入だ!それによってFinTechを発展させるのだ!!」。同社のビジョンはきっとそんな感じだと思います。

ところがマクダッド氏は、「最近、ある金融機関の関係者からFinTechは別に新しくないでしょと言われました。オンラインバンキングなどでは、預金口座と同じ銀行系クレジットカードは連動しており、同じウェブサービス上でまとめて利用できるという意見だったんです」と話しました。

それでもマクダッド氏は続けて、「たしかにそうですが、FinTechの解釈はもっと広くて大きいです。なにせ既存の金融機関のシステムと、私たちのようなサードパーティーの技術をつなぐという発想なわけですから。こうすることで新たな価値が生み出されます。これこそ重要なことなのです」と強調します。

MT LINKで生み出される新しい価値とは?

では、金融機関のシステムは、MT LINK導入によってどんな新しい価値が生まれるのでしょうか?マクダット氏は、「例えば、クレジットカード会社の明細を参照できるようになれば、預金口座残高とクレジットカードの支払い明細などを分析して、ユーザーに少額ローンを提案するといったことも考えられます。この手法を利用することで、地銀などは新しいビジネスチャンスを掘り起こせる可能性が出てきます。また、ユーザー側も一元管理によって、資産と負債を把握できるメリットがあります」と話しました。

では、外部との連携によるリスクについてはどうなんでしょうか?金融関係データのやり取りとなるとセキュリティ面への配慮が重大です。MT LINKの場合、そのセキュア通信や認証などをIBMのPaaSであるBluemixがサポートしています


マクダット氏は、「自社で全てを完結できない時代の到来に伴い、第三者と連携する、すなわちAPIエコノミーを目指すことは必然だと思います。ぜひ金融業界でも積極的にチャレンジしてほしい」と力強く語りました。

こうした同社の想いに対し、金融業界の反応はどうなんでしょうか?もちろん動きがあります。10月下旬、みずほキャピタル、三菱UFJキャピタル、SMBCベンチャーキャピタルという3大メガバンク系VCとセールスフォース・ドットコムの4社は、マネーツリー株式会社に対し、金額は明らかにしていないものの大型出資を行うことを発表しました。この出資によって、MT LINKが金融機関に浸透していくスピードが速まることは間違いありません。日本の金融サービスに新しい波が起こるか、期待が高まります。

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