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「フラッシュマーケティング」という言葉をご存知でしょうか。「知らない、初めて聞いた」という人もいれば、「懐かしい。そういえば、そんなのあったなぁ」と思う人もいるでしょう。フラッシュマーケティングは一時期ブームとなり、あるタイミングを機に下火になってしまった新興のショッピングサービスです。とはいえ、すっかり過去のものになったのかと思いきや、調べてみると意外なことがわかってきました。

2010年にピークを迎える

そもそも「フラッシュマーケティング」とは、割引価格や特典がついたクーポンをインターネット上で販売する手法を指します。安く得をしたい消費者と、思いっきり価格を下げてでも商品やサービスを試して欲しい事業者のニーズを繋ぐ、画期的なサービスとして広まりました。

当初はアメリカのGROUPON社が、割引クーポンをインターネット上で事前に共同購入するビジネスモデルを開始したのですが、このメソッドは後にGROUPON社の海外進出に伴って世界中へ広まり、類似サービスも登場することとなりました。また、同社の手法は日本において「共同購入型クーポン」と呼ばれ、一時期ブームになったのです。
ビジネスモデルの特徴は、「販売期間を短く設定する」、「販売数量を限定する」、「衝撃的な値引き率(主に50%以上の値引き)」、「一定以上の購入者数が集まったら販売決定」などが挙げられます。瞬発的で突発的、まさに「フラッシュ」のように販売を行うことで、ごく一部のユーザーに情報の先取り感や優越感が生まれました。加えて、FacebookやTwitterなどのSNSにサービスを利用したことについて投稿するユーザーも多数現れ、その存在は一気に広まることになったのです。

実際のところ、飲食店やエステサロンなどが50%以上の値引き販売を行った場合、当然ながら店舗側の利益はかなり薄いものになります。それでも、短い時間で多数の集客できるメリットがあり、積極的に導入する店舗が相次ぎました。

2010年にブームはピークを迎え、「GROUPON」の成功を追うように、「ポンパレ」、「Piku」(ピク)、「Qpod」(クーポッド)といった大手サイトが登場。零細サイトまで含めると200以上が乱立するバブルとなりました。

あまりに突然のブーム終了

しかし、ブームの終わりは意外にも早く訪れます。GROUPONジャパンが2010年末に50%割引でおせち料理を販売し、価格の激安さにひかれた消費者によってバカ売れします。しかし一方、提供元のひとつである『バードカフェ』では、当初予定の100セットを大幅に上回る500セットを受注する事態となりました。当然ながら製造能力はパンクし、12月31日になっても約200人に未配達が生じ、さらには広告より量が少なかったことや、料理がいたんでいることなどのさまざまな問題を引き起こしたのです。

この惨状は年が明けた2011年の正月に、「スカスカおせち事件」としてネット上を駆け巡り、大問題に発展しました。当然GROUPONジャパンはもちろん、本国アメリカのGROUPON CEOまで謝罪することとなったのです。また、この事件がもたらしたマイナスイメージは甚大なものになり、以降フラッシュマーケティングや共同購入型クーポンに対して、「怪しい、粗悪品を売るのではないか」という印象を持つユーザーが増えたため、ブームは急速に下火になってしまいました。

実は市場拡大を続けて存続中

ブーム終了後、中小零細サイトは相次いで撤退、大手サイトも対応を迫られることになりました。すっかり信用を失ってしまったGROUPONでしたが、事件後は審査の基準数を30項目から200項目に増やし、店舗のサポートを専任で行うパートナーマネジメント部、審査部を設けるなど、積極的に状況の改善を図ってきました。また、リクルートが運営する「ポンパレ」も、日本人のコミュニケーション趣向に合うよう工夫を凝らした機能の導入など、サービスが見直されたのです。

現状ピーク時と比較すると、運営サイトは全盛期の1/3まで淘汰されたと言われていますが、しっかりと信頼回復の努力を行ったサイトに関しては今も存続しています。この移り変わりの激しいインターネット業界において、しかも一度マイナスイメージが付いてしまったにも関わらず、成長を続けていることは驚異的と言えるでしょう。フラッシュマーケティングには、まだ大きな可能性があるのかもしれません。

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