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グーグルが2014年当時32億ドルと巨額で買収したNest Labsから、久々にスマートホーム製品が登場し、すでに市場に出回りはじめている。こちらはAIを活用したセキュリティカメラ「Nest Cam IQ」というもので、小さいながらも6コアプロセッサと通信機器が内蔵されており、複雑な処理を可能としているのだ。

単なるセキュリティカメラではなく、AIと連携によりどれだけの機能が付加されるのか、今回はこのカメラの機能を追ってみた。


Nest Labsはトニー・ファデルが創業した会社

もともとNest Labsは、iPodの父と呼ばれるトニー・ファデル氏が2010年に創業した企業である。人工知能を実装したサーモスタットで一躍有名になったが、グーグルに買収されてからは新たしい製品はあまり出なかった。2016年にはCEOがトニー・ファデル氏からモトローラ・モビリティ出身のマルワン・ファワズ氏に代わり、新たな動きとして今回の製品を発表するに至ったのだ。また、2015年にはネットワークカメラの「Nest Cam」を発売しているが、このNest Cam IQはスクラッチから設計しなおした新製品とされている。

家のなかの人や動物の動きに反応してスマホにプッシュ配信が可能

静止画では4Dセンサー+HDR、動画では1080pのHDクオリティ、視野角は130度で暗いところでも撮影可能なナイトビジョン機能がついた、このNest Cam IQ。ハイスペックなカメラ機能のみならず、マイクやスピーカーを内蔵しているため、家のなかにいる人間との遠隔通話も可能である。

そして、家のなかで人が映ると自動的にそれを感知し、被写体にズームインして静止画を撮影、利用者のスマートフォンへ画像付のプッシュ配信を行なってくれるという。また、月額10ドルを支払い「Nest Aware」に加入すると、顔認証機能が追加されるのだ。こちらは、あらかじめ顔認識をしておけば、特定の人物の出入りに対するアラート機能も利用が可能となっている。そのため、家族の誰かが帰宅すればすぐに確認できるし、逆に登録していない不審者が侵入したときもすぐにわかるという仕組だ。
ちなみに、Nest Cam IQの価格は299ドルと、やはり単なる監視カメラと違い若干高めに価格設定されている。


AIカメラとしての驚くべき新規性が感じられない商品

グーグルがこのNest Labsを買収した当時、同社のサーモスタットに導入された人工知能は家に人がいる時間帯を自動的に学習し、電源のオンオフを人の代わりに行なってくれるという機能が大きな注目を集めた。あわせて、「Auto-Away」という機能を利用すれば、長時間不在の際は勝手に電気機器をオフにする機能を実装し、電気代やガス代の節約に貢献するとしても話題になったのである。

また、グーグルによる同社の買収についても当時の日本円にして約3,200億円と、その高額な値段に驚かされたが、同社自体の価値が1,000億円、トニー・ファデル氏の価値が2,000億円以上と噂されるほどだった。そして、同社を退任した後のトニー・ファデル氏は、アルファベットおよび同社のラリー・ペイジCEOのアドバイザーを務めており、表舞台には登場していない。

今回、同社の新デバイスとして発売されたNest Cam IQは、機能的には決して劣った製品というわけではなく、明確な特徴を持っていることも確かだ。しかし、現在巷をにぎわせているAIスピーカーに比べると、その新規性はかなり限られたものに見える。iPodやiPhoneの開発に携わったトニー・ファデル氏の会社とは思えない結構地味な内容、というのが正直な感想だ。

AIアプライアンスのなかで、飛びぬけたカッティングエッジを発揮しゲームチェンジャーとしての座を築くことは決して簡単なものではない。残念ながら、このNest Cam IQには目を見張る新規性が感じられない。実際市場でも印象的ではあるが、価格が高いとの評判がたっているようで、爆発的に売れているという状況ではないそうだ。

AI連携の商品が多くなるにつれ、消費者の目は日々肥えている。新たなヒット商品を作るということも、想像以上に難しくなっているのだろう。

<参考・参照元>
Nest