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デロイトトーマツグループから「Deloitte CFO Signals」という、CFOの意識調査できわめて興味深い内容が公表されている。これは4半期ごとに同社が実施しているものであり、今回発表となったのは2017年7月に行われた調査の結果だ。上場企業46社のCFOからの回答が得られており、あわせて今回は日本企業を中心としているだけに、その中身は今後のCFOの考え方を如実に示すものとして注目したい。


CIOとは異なるCFOのプラクティカルな視点

デロイトトーマツグループはいわゆる監査法人とコンサルティングファーム、アドバイザリーファームから構成されるグループである。そのため国内企業でもCFOへの関与度が高く、通常のコンサルティングファームによるCEOやCIOを対象にした意識調査とは一味違う調査結果が出ている点で注目されているのだ。また、CFOはクラウドに対して、よりプラクティカルな視点でその利用を見ているところが興味深い。しかも、クラウドに対する評価は一元的ではない点が調査結果の大きなポイントとなっている。

クラウド利用用途は部分的と全社的に2分

クラウドコンピューティングの将来的な利用可能範囲については、経費精算などエンドユーザーが利用する機能向けという回答が48%と非常に高い。この領域では、多くのCFOがクラウドコンピューティングの利用価値を認めていることがわかる。一方、すべての会計関連システムへの適応と答えたのは26%あまりで、本社/大規模子会社の会計システムでも適応したいと答えた22%と含めると、一部利用と全社的な横断利用を志向するCFOがちょうど拮抗していることが窺えた。これが実務をとりしきるCFOの足もとの視点というところは非常に興味深い。

<参考・参照元・キャプチャ元>Deloitte CFO Signals Japan:2017Q2 | サービス:CFOプログラム|デロイト トーマツ グループ|Deloitte

セキュリティ侵害が最大の懸念

では、具体的に何がCFOにとっての懸念材料なのか。クラウドコンピューティングの懸念点では、セキュリティ侵害をあげたCFOが実に70%にも上っている。これが、システムの停止やデータの消失、サービスの継続性といったよく指摘されるそれぞれの懸念事項を大幅に上回っていることに注目したい。クラウドだけを利用している場合には、オンプレミスよりもはるかにセキュリティリスクが低減するケースが存在するにもかかわらず、セキュリティ侵害に関するリスクを非常に危惧していることが理解できる。

つまり、国内企業で広範な形によるクラウドコンピューティングの利用をはかろうとする場合、CFOがかなり足を引っ張る存在となることが想定されるのだ。セキュリティに関して、全社の正しい理解を積み上げていくことが非常に重要となることがわかる。

<参考・参照元・キャプチャ元>Deloitte CFO Signals Japan:2017Q2 | サービス:CFOプログラム|デロイト トーマツ グループ|Deloitte

実際のクラウド利用は、オンプレミスとの連携もあれば、パブリッククラウドと併用したハイブリッドクラウドも現実のものとなっている。セキュリティ対策も実際は想像をはるかに超えるほどの進化をみせている状況だが、必ずしもそうしてテクノロジー面での安心感というものがクラウド利用にあたっては醸成されていない点が気になるところだ。

こうしてみると同じ企業内のCクラスのメンバーでも、CIOとCFOはクラウドに対する評価や印象がかなり異なることが見えてくる。とくにクラウドを今後全社で運用するといった場合、CFOはCEOやほかの部門にも大きな影響を与えることになりかねない。こうしたギャップをどう埋めていくかが、依然として社内外ともに大きな課題となりそうだ。今回のこの調査結果は、今後のクラウド導入を拡大するうえで参考になる結果となったのではないだろうか。