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Web接続といえばパソコンからのアクセスが主流であったが、現在ではスマートフォンの普及が進み、モバイル端末からのアクセスがほぼ当たり前になっている。そして、足元で進みつつあるのがAIスピーカーを利用した音声での検索や、AI Botとのやり取りだ。

しかし、このAIスピーカーを使った音声でのユーザーとデバイスのやり取りでは、映像というものが一切現れない。実はこのプロセスの変化が、Webマーケティングに大きな影響を与えようとしているのだ。Webから本日のニュースや、聞きたい音楽のことをAI Botに話しかけるといった行動は、従来からある検索エンジンの利用を音声で行っているにすぎないため、それほど驚くべきことではない。だが、音声による操作のみでモノやサービスの購入ができるとなると事態は一変する。

Web広告表示の意味はほとんどなくなる?


まず、液晶のモニター視聴を前提としたWebのビジュアルマーケティングは全般的に何の意味もなくなるだろう。数年前に流行りだしたRTB(リアルタイムビッディング)で、ターゲットユーザーに広告をリアルタイム配信するという手法も、もはや音声Web接続の時代には何の意味もない。

パソコンからスマートフォンといったデバイスの変化は、既存のネット視聴の延長線上にしかなかったものだ。しかし、Webで用を済ませる際に画面を一切見ずにAIスピーカーに話かけるだけ、というのは既存のWebマーケティングのアプローチ手法からいえば革命的、かつ破壊的な行為といえる。あわせて、これまで培われたWebマーケティングの手法をことごとく崩すきっかけになりかねない。AI Botが選考導入されている米国の市場で、こうしたマーケティング課題が果たしてどこまで浮上してくることになるのか、非常に興味が持たれる領域だ。

AI Bot への依頼の仕方で商品購入選択は大きく変わる

すでにアマゾンでは「Amazon Dash Button」が販売されている。これは、Webでブラウザを通じ商品を購入するのではなく、特定の商品の反復売買についてはこのボタンを押すだけという、これまでにない販売アプローチを可能にしている製品だ。

音声デバイスへの注文は、AIの進化具合で今後とんでもない商品選択のフィルタリングが実現するとされている。たとえばお酒、「いつものやつをお願い」と言うだけでユーザーのこれまでの購買履歴から、もっとも数の多い商品を自動的に購入することが可能になる。さらに、そのお酒を「前回購入したときよりも安いやつ」などと依頼すれば、AIがある意味勝手にリコメンデーションしてくれるだろう。これらの実現化が、もう目の前にさしかかってきているというのだ。もちろん、一定の確認をユーザーに求めてくることは間違いない。だが、検索エンジンとは別のAIによる購買履歴やユーザー嗜好に関する判断が働けば、特定の領域の商品だけが反復購買されるという、きわめて厳しい状況が示現することが十分に考えられる。これがアマゾン製のAIであれば、自社で販売する商品情報などともリンクし、かなり精密なフィルタリングがかけられるだろう。そうなれば、アマゾンの売り上げ貢献にも大きく寄与することが期待される。

ディープラーニングのおかげでマーケティングは激変

AIのディープラーニングは、利用者を分析すればするほどその嗜好を細かく知ることができ、カスタマーインサイトを活かした精度の高い商品選択をすることができるようになる。とくに、利用者とAI Botが話し合い商品の選択にフィルタリングをかけていくような動きなど、AI Botが顧客にリコメンデーションしてくる商品やサービスは、検索エンジンの存在を超えるほど大きなものになりかねない状況だ。

車のような高価な商品、デザインや色が重視されるファッション商品はビジュアルによりマーケティングが残ると思われるが、買回り品についてはAIスピーカーを通した商品の購買に劇的な変化が起きることはほぼ間違いないといえる。Webのマーケッターがこうした状況の変化を、どれだけ理解しているかはわからない。だが、音声というアプローチが主流になることで、Webマーケティングは壊滅的な変化を食らう可能性が日々高まりつつある。