×
最新の人気コンテンツ情報をまとめた
メールマガジンをお届けします

ページトップへ

国内に比べて、遥かにテロのリスクが高い海外。ここでも最先端ITによるセキュリティ強化の動きが加速しています。とくに対策を急ピッチで進めているのがSNS企業です。なにせ近年のテロ活動では、TwitterやFacebook、YouTubeといったSNSを利用して実行犯の募集や、犯行声明を発信するなど、テロ活動に利用されてしまうケースが急増しているのです。これらに対してどのように対抗していくのか、まずはその当たりから見て行きます。

Facebookなど米IT大手4社、テロ対策団体を設置

世界のIT業界をリードしているFacebook、Twitter、Microsoft、YouTube、この米企業4社が2017年6月26日、テロ対策に共同で取り組む連合「Global Internet Forum to Counter Terrorism」の設立を発表しました。

これら4企業は新団体設立前の2016年12月から、テロリスト関連コンテンツの共通データベースの運用を開始。今後は人工知能(AI)とくにディープラーニングを活用して、不適切な内容や危険な内容を見抜いたり、分類したりする技術を向上させ、データベースを改善させていきます。また、共同研究にも取り組み、テロ関連のコンテンツ削除に関する技術や基準の策定を図っていくとのこと。

冒頭でも少しふれたように現在、世界各国で脅威となっているテロ活動の多くはSNSを活用しています。それを踏まえ4社は、「テロの広がりは世界的な問題だ。それでも、我々が協力し合うことで、ネットを通じたテロの脅威に対して、より大きな影響を与えられる」と発表。各社が運営するサイトなどが、テロリストや暴力的な過激派に利用されないように対策を強化していくと述べています。同時に、4社以外のIT企業や専門家、各国政府、欧州連合(EU)、国連などとも協力していく考えです。


IT大手が最新システムを警察に提供

この他の海外企業でも、テロ対策の高度化が進められています。米IBMは防犯カメラの映像とSNS、警察のデータベースなどを連携させて分析するシステムを開発。防犯カメラに映った人物が犯罪組織などに関わっていないか、SNSで過激な発言をしていないか、危険人物と関係していないかなどを解析して犯罪捜査に役立たせるというもの。米ニューヨーク市警察のほか、他国の警察機関にも同システムを提供していく計画です。

また、ストレージ(外部記憶装置)世界最大手のDell EMCは、カメラに映った動画から盗難車のナンバープレートを検出できるシステムを開発しました。最大20ペタ(1ペタは1,000兆)、バイトまでデータを保管できるストレージを使い、数カ月前までのデータをさかのぼれるのが特徴であり、まさに自社の強みを活かした強力な製品といえます。また、このシステムはアメリカやオーストラリアの警察機関に提供されています。


セキュリティで存在感を高めるイスラエル

最後に、テロ対策を国家ビジネスとして強力に押し進めているイスラエルの事例を紹介しましょう。イスラエルは特殊な環境で建国した経緯があり、一貫して周辺国と緊張関係にあります。加えて、特別に天然資源に恵まれているわけでもありません。そのため、ITや教育を徹底的に推進し、国民ひとり一人が価値を生み出す戦略をとっています。このなかで育まれてきた事業のひとつがFinTechであり、もうひとつがテロ対策技術です。

関連記事:「中東のシリコンバレー」イスラエルに世界が注目!!(後編)

その象徴というべき「CyberTech 2017」が、2017年1月30日から2月1日までテルアビブで開催されました。これはセキュリティ関連では世界最大規模のエキスポで、初日にはスタートアップ企業75社を含む約150社が展示ブースに出展。ドローンや通信傍受技術、画像解析による監視システム、インターネットセキュリティなど最先端のセキュリティ、テロ対策技術が集結しました。

2日目の基調講演ではネタニヤフ首相が登壇し、イスラエルが産官学を上げてセキュリティの分野に注力していることを強調し、この分野において世界でリーダーシップをとって脅威に対抗していくことを述べました。

最先端ITがテロ対策において強力な対抗手段になるのは間違いありません。つまり、この分野で存在感を示す企業や国家こそが、次世代のイニシアチブを握っていくものと思われます。


こちらもチェック

テロ対策、最先端ITによるセキュリティに期待~国内編(1)
テロ対策、最先端ITによるセキュリティに期待~国内編(2)