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インバウンドの盛り上がりによって、富士山をはじめ日本の山々に登る外国人観光客も増えています。また、山ガールやシニア登山愛好家といった登山ファンも急増中。その一方で、遭難などの山岳事故も後を絶ちません。そこで今回は、登山をより快適に、より安全に楽しむためのIoTについて見ていきます。

外国人観光客でも富士山でネットにつながる

インバウンド業界では、「ゴールデン・ルート」というキーワードがよく使われます。具体的には外国人観光客が東京(成田空港、羽田空港)から入国し、都内周遊、箱根、富士山、名古屋、京都などの観光地を経て、大阪(関西国際空港)から帰国するというルートのことを指します。日本の代表的な観光地を短期間でまわれるとあって、昔から人気の定番コースです。
なかでも、富士山は日本の観光ルートのほとんどに組み込まれていることもあり、多くの外国人観光客が訪れています。とくに世界遺産に登録された2013年以降からは急増の一途をたどっており、富士山は今や英語、中国語などが飛び交う人種のるつぼになっているといえるでしょう。

富士山が注目される一方で、課題のひとつとして挙がったのが「通信手段」でした。富士山に限らず、日本を旅行した外国人観光客の多くが、Wi-Fi環境の乏しさに不満を感じているといいます。実際、ずいぶんと改善されてきてはいますが、都市部をはずれるとつながらないという状況は続いています。
ここ数年、NTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンクの携帯電話大手3キャリアは、富士山の開山期間に合わせてモバイルネットワークを解放する動きをしてきました。これにより日本のユーザーは富士山でもある程度自由に通信できるようになりましたが、外国人観光客はこれらのキャリアとは無関係なので、依然としてつながらないままです。

この問題の解決に立ち上がったのが山梨県と静岡県で、両県は2016年から富士山の山小屋を中心にWi-Fiスポットを設置するプロジェクトをスタートさせました。このWi-Fiスポットは『富士山 Wi-Fi』と名付けられ、株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレスのサービスを採用しています。日・英・中(簡体字・繁体字)・韓・タイ・ポルトガルの言語に対応し、富士山の全山小屋を含む49カ所と富士山静岡空港に設置されており、今後は富士山五合目以下の民間施設へも拡大予定です。

このように富士山のWi-Fi環境が改善され、以前よりも位置確認が容易になったことで、仮に道に迷ったとしても外部と連絡でき安全性が高まったといえます。また、同サービスは2016年度の開山期間内で実験的に展開され好評を得たことから、2017年度も開山期間に合わせてサービスの提携を開始すると発表しました。利用者にとってのメリットは大きいので、今後も発展してほしいものです。

登山者の様子をオンタイム表示

次に紹介するのは、株式会社 博報堂アイ・スタジオが展開するIoTデバイス『TREK TRACK(トレックトラック)』です。冒頭でもふれたように、登山ブームに伴い遭難や山岳事故も増加しています。そこで、登山者の道のりがデータ化されれば、早期発見や今後の対策にもつながるのではないか、という発想で生まれたのがこのシステムです。

登山者の位置情報や登山ルートのデータを取得しようという動きは、遭難防止を目的に以前からあったのですが、多くの山では携帯通信網の電波が入らないため、やりたくてもできなかったという事情がありました。そこで『TREK TRACK』では、SORACOMのIoTプラットフォーム「LoRaWAN」を採用しました。
『TREK TRACK』は、山の中に設置してあるSORACOMのゲートウェイを介して、登山者の位置情報を把握できるようになっています。Web上で登山者の移動情報が3Dインターフェースでオンタイム表示されることにより、離れたところにいる家族や山の管理者も、Webを通じて登山者の動きが確認できるという仕組みです。そして、このデバイスのメリットとしては省電力であることが挙げられます。

同社は2016年に北八ヶ岳(長野県)で実証実験を行い、近日中のローンチを目指しています。これが普及すれば登山の安全性が向上するだけでなく、ルート分析や天候アラートなどデータ活用の可能性も大きく広がることでしょう。


<参考・参照元>
富士山史上初! 全山小屋で利用可能な無料Wi-Fi、「富士山 Wi-Fi」を提供! | 2016年 | KDDI株式会社
山岳遭難事故の減少を目指す IoTデバイスの"実証実験"を実施 データを使った新たな登山インフラ『TREK TRACK』が、解決への第一歩を踏み出す [日時]10/18(火)11時30分~14時 [場所]長野県茅野市 北八ヶ岳|ニュース|博報堂アイ・スタジオ

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