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夏が本格化してくると、やはり海に行きたくなりますよね。その海でもIoTの波がやってきていると聞いたら、どう感じるでしょうか?
海でスマートフォンやPCを操作するイメージがわかないので、なかなかIoTと結びつかないかもしれません。それでも、その波は海の世界も大きく変えようとしているのです。

ロールス・ロイス社の凄すぎる海洋計画

海におけるIoTは、私たちが想像する以上のスケールで研究開発が進められています。中でも先進的なのが、英ロールス・ロイスです。ロールス・ロイスと言うと、高級車メーカーのイメージがありますが、70年代からは航空機用エンジンや船舶も製造しているのです。

そして同社は以前より、「Ship Intelligence」というテーマで輸送船を遠隔からコントロールするシステムの開発・研究に取り組んでいます。これは配達用ドローンと同じく、輸送船を目的地に向けて自動で運航させるというもの。悪天候や障害物などがあっても自動で回避するプログラムを搭載しており、安全運航を実現させています。これは自動運転車と同様に、IoT技術をフル活用した輸送手段と言えます。また、遠隔地にあるコントロールセンターから空港の管制塔のように航行状態を管理することや、遠隔操作もできるように研究を進めているそうです。

このプロジェクトを紹介するプロモーション動画が制作されているのですが、それがまるでSF映画のような世界観になっています。ぜひご覧ください。


全世界の船の状況を一覧できるグローバルウォールが、まさにSF映画です。見ているだけでワクワクしますね。そして、無人輸送船には音声で指示を出しています。
スマートスピーカー等で使われている音声認識技術が発達すると、こういうことも実現できるのでしょう。同社は「早ければ2020年には商業向けに運用を開始したい」としています。

海上インターネットは陸上よりも20年遅れている

一般的に大型貨物船には、船長、航海士、機関士、調理員など20人前後の船員が搭乗しています。この状態で数週間から数ヶ月かけて運行しているわけですから、相当なコストが掛かっていると考えられます。そのため、無人輸送船が実現すればこれらのコストを削減できるだけでなく、船員の居住空間が空く分、さらに多くの貨物を載せることができるのです。

とはいえ、これを実現するには未だ課題があります。無人輸送船が絶えずデータの送受信するために、海上インターネットの接続環境が必須となるのですが、地球の表面積の約7割を占める海ではほとんどインターネットにつながりません。海上インターネットは陸上よりも20年遅れていると言われています。

海上インターネットを発展させる人工衛星

実際のところ、海上ではネット基地局の建設が容易ではありません。そこで現実的な選択肢となるのが人工衛星を利用する方法です。現在、この分野で各社がサービスを開始し始めています。

衛星通信世界大手の英Inmarsatは、船舶向けの通信サービス「Global Xpress」を開始しており、定額かつ高速なブロードバンド環境を地球上のどこでも利用できるのが特徴です。同じく、衛星通信事業を行う米Viasatは大手航空宇宙機器メーカーの米Boeingと組み、高速インターネットを提供する3つの新型衛星を打ち上げることを発表しています。

また、IT業界においても動きがみられてます。Googleは2015年に米投資大手のFidelity Investmentsと共同で、SpaceXが計画する衛星通信網の構築プロジェクトに10億ドルを出資しました。SpaceXはカリスマ経営者イーロン・マスク氏が率いる宇宙ベンチャーで、小型の通信衛星約4,000台を低軌道に配置し、地球全体を覆うインターネット環境を構築するプロジェクトを進めており、2020年以降の実施を目指しています。

この他にも、Facebookのような大手からスタートアップに至るまで、さまざまな企業が衛星通信サービス分野への参入を視野に入れています。サービス会社が増えれば利用料も下がるため、そのとき海上インターネットや海上IoTが大きく発展することが期待されます。


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