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日本人ほどトイレにこだわる国民もいないでしょう。ただ排泄するだけの空間に、あれだけの快適さ、清潔感、居住性、機能、技術を投入する姿勢は、他国の人には理解しがたいかもしれません。それでも、日本で発展した温水洗浄便座(「ウォシュレット」の名称はTOTO、「シャワートイレ」の名称はLIXILとそれぞれ登録商標されています)は、今や世界各国で拡大しています。どの国でも、清潔で機能的なトイレを使いたいというニーズがあるのかもしれません。そんな中、トイレをIoT化しようとする動きも出てきました。まさに日本ならではの進化。そんなスマートトイレにまつわる話題を見てみましょう。

「トイレ日記」が意外に役立つLIXILのスマートトイレ

LIXILでは、スマートフォンと連動するスマートトイレの開発に力を入れています。商品名は「SATIS」(サティス)。専用アプリ「My SATIS」をインストールしたスマートフォンをBluetoothで連動させると、スマホがリモコンに変化します。これを使えば、洗浄位置や水量の強弱など個人によって異なる設定を保存しておくこともできます。

とはいえ、トイレをわざわざスマホでつなぐ意味があるのか?と思う人も多いでしょう。たしかに手元のスイッチを押せば済む話なので、当然の反応です。ですが、スマホと連動させることで意外に役立ちそうな機能が、「トイレ日記」です。

これは日々の排便状況をカレンダー上に記録して、健康管理に活用するというもの。開発にあたっては、女医のおおたわ史絵氏が監修しました。内科の診察において、便は健康状態を知るうえで欠かすことのできない重要なもの。この記録を付けておくことで、体の変化や心の不調をいち早く知ることができるのです。

ハッキングは大丈夫か?

一方で、スマートトイレはハッキングの恐れも指摘されています。これはトイレに限ったことではありませんが、IoT製品は常時インターネットに接続されている状態のため、ハッキングや情報漏えいの危険性と隣り合わせの状態にあります。

実際に、2013年に米国のセキュリティ会社であるTrustwave社は、LIXILの「SATIS」を検証したところ、専用アプリ「My SATIS」に脆弱性が見つかったことを発表しました。具体的には、トイレとアプリを連携させるBluetoothのPINコードが攻撃されやすい状況にあるというのです。悪用しようと考えれば他人のトイレを制御することができ、トイレのフタの開け閉めや、シャワーや空気乾燥機能のオン/オフを勝手にできると指摘しました。

ですがその後、深刻な被害がメーカー側から発表されていないので、改良を重ねているものと思われます。いずれにしても、トイレが他人に制御されることだけは勘弁してほしいですね。

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ピーク時のトイレ難民を救うツールが登場

さて、もうひとつトイレとIoTに関するニュースを紹介。朝の通勤時、満員電車もピークになりますが、同時に駅のトイレもピークに達します。しかも、どうしてもトイレに行きたいときに限って満室だったりします。こうした問題をIoTで解決しようとしたのが小田急電鉄です。同社は2017年6月に、小田急線にKDDIの「KDDI IoTクラウド ~トイレ空室管理~」を導入したことを発表しました。

これは小田急電鉄が提供している公式アプリ「小田急アプリ」を利用して使うもの。小田急線新宿駅・西口地下改札外トイレと南口改札横トイレが対象となっており、空き状況が確認できます。マグネットセンサーをトイレの扉に取り付けることで開閉状況を検知しており、この情報がKDDIのLTEネットワークを経由しクラウド上に通知され、ユーザーが確認できるという仕組みになっています。前述したように現在、対象としているトイレは新宿駅だけですが、これは大きな一歩といえるでしょう。今後は別の駅、さらには別の鉄道会社も導入していけば、ピーク時のトイレ難民を相当改善することができるはず。また、遊園地やスタジアムなど駅と同様にトイレ難民が生じる施設でも、いつの日か導入されることを期待したいです。

それにしても、このアプリはいかにも日本的です。都市部では常に満員電車が発生することに加え、トイレにこだわりがある日本人だからこそ思いついたアプリと言えますね。


<参考・参照元>
サティス:スマートフォンリモコン | LIXIL
「KDDI IoTクラウド ~トイレ空室管理~」が小田急電鉄株式会社様に採用 | KDDI