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最近では、RPA(Robotic Process Automation)の話題がメディアなどでも非常に多く聞かれるようになってきている。RPAとはその名のとおり、ロボットによる業務自動化の取り組みを表すもので、米国ではDigital Labor(デジタルレイバー)などとも呼ばれ、日本では仮想知的労働者といった言葉にも置き換えられるようになっている。
このRPAがバックオフィスなどで定型化業務に追われていたホワイトカラーの業務を開放し、新たな付加価値業務へのシフトを可能にするとして、人手不足の労働市場のなかで大きな注目を浴びているのだ。確かに、当座はRPAの出現でホワイトカラーの単純作業領域において人手不足を解消することが期待できる。しかし、この先AIとの連携が進めば、将来的にホワイトカラーのコモディティ化された業務を、広範に取って代わる脅威の存在にもなりかねない。本当にホワイトカラーはロボットと共存できることになるのかについて探ってみた。


生産労働人口が急激に減少する国内市場ではRPAは救世主

RPAはロボットという名称がついているが、その中身の実態はプログラム化されたソフトウエアだ。工場など製造現場での導入が進むロボットの活動範囲を、さらにホワイトカラーのバックオフィスなど定型化業務の領域に拡大することによって、人が人海戦術で補ってきた労働力不足を一気に解消しようということがRPA導入の狙いである。

また、国内では人口減少と高齢化の進展から、生産労働人口が著しく減少しようとしている。内閣府が公表している「平成28年版 高齢社会白書」によれば、2060年には国民の2.5人に1人が65歳以上の高齢者となる社会が到来すると推測されており、この国は世界でも群を抜く超高齢化社会に直面しようとしている。すでに足元では人手不足が顕在化しつつあり、どれだけ業績がよくなっても人手不足を雇用の増大で解消することは、事実上困難な状況になってきているのだ。そのため、ホワイトカラーの業務改善と生産性を高めてくれるRPAの導入を、多くの企業が真剣に考え始めたことはある意味で当然の成り行きといえるだろう。

RPAはさらなる進化の過程にある

現在RPAは米国を中心に、その導入が飛躍的に進みつつある。国内にもこの流れがやってくることは間違いない状況だ。現状では、人の代わりにオフィスのデスクトップにおける定型化業務を指示通りに動くことによって、低コストで自動化の実現が可能になり、ホワイトカラーのバックオフィスにおける単純作業を大幅にリプレイスしてくれ、コストの削減と労働生産性の向上に寄与することが期待されている。さらに、このRPAは第2段階において人の設定した指示を踏まえ、自分で考えて動くことができるようになり、あらかじめ指示を受けなくても働くことのできる領域を拡大するとされている。

そして、最終段階となる第3段階ではデータを踏まえて市場を予測するといった動きも可能であり、指示を細かく受けなくても自ら働くことができる領域に入り込んでくることになる。こうなると既存のバックオフィスで定型化業務だけに精通した、いわばコモディティ化した業務を担当してきたエキスパートは必要なくなり、新たなスキルセットが必要となる時代もそう遠くはなくなりつつあるのだ。

ホワイトカラーはより知的付加価値の高い業務をこなせる力が必要に

これまでは、どこのバックオフィスにも業務プロセスに精通したプロという存在が重用されてきたが、RPAの導入はこうした存在の必要性を解消することになる。当然、定型化したコモディティ業務から開放されたホワイトカラーは、ほかの部門や部署でより付加価値の高い業務にまい進することになるが、それに必要なスキルセットを体得することは必須の状況だ。

RPAの導入は初期段階では人の残業を減らし、業務効率を改善してくれる救世主となるが、その先は人のコモディティ化した業務をことごとく奪い去る可能性がきわめて高くなる。ある国内の調査機関の調べでは、ホワイトカラーの業務の実に8割方はRPAが取って代われる状況にあるという。よって、多くのホワイトカラーは今後、残り2割の知的労働部分で生き残れる存在となることが求められる。企業で働く経営者も従業員も、この厳しい将来の姿をいち早く認識・理解することが必要な時代が到来しようとしている。