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団塊の世代が75歳の後期高齢者となり、国民の3人に1人が65歳以上の高齢者になると言われる「2025年問題」。確実に到来する超高齢化社会に対応するために、AIやロボットの活用が期待されています。前編では超高齢化社会になるまでの流れと抱える課題、そしてAIは2025年にどのような位置づけとなり得るのか、その可能性を見ていきたいと思います。


超高齢化社会に突き進む日本

1990年代に日本は人口ボーナス期を終了し、急速に人口オーナス期へと突入しました。
人口ボーナス期とは、「多産多死」から「多産少死」へ、そして「少産少死」へと変化していくところから始まります。そして、14歳までの子供と65歳以上の老人の人口の割合が、15歳~64歳の人口の割合よりも低下します。つまり、働く世代の人々が子供や老人を養える状態であり、こうした状態の場合教育費や社会保障費が抑えられるため、経済成長を後押しするといわれています。
人口オーナス期はその逆で、養われる人の割合が養う人の割合に対して増加している状態のことを指します。オーナスとは「負担、重荷」という意味です。
人口ボーナス期が終わると、医療制度が充実することにより高齢化社会となり、再び人口ボーナス期に戻ることはないという特徴があります。
新興国ではこの先も人口が増え続け、アフリカでは2050年に人口ボーナス期のピークを迎え、その時期には世界勢力図がまったく塗り換わるという予測もあるのです。
対して日本では先進国の中でいち早く人口オーナス期へ突入しました。この時代に繁栄を続けることができれば、後に続く国へのモデルとなると期待されています。
<参考・参照元>
人口オーナス期に経済発展するためには|株式会社ワーク・ライフバランス(PDF)

超高齢化社会の日本の課題

超高齢化社会の日本は、次のような課題を抱えています。

  • 社会保障費
2011年に厚生労働省から発表された調査結果では、国民医療費の半分以上は65歳以上が占めているという状況が分かっています。
社会保障制度は、自分の老後のために自分でお金を拠出する「積立方式」と、働く人が高齢者のためにお金を拠出する「賦課方式」があり、日本では後者を採用しています。この先働く人が減り高齢者が増えるため、この方式では立ち行かなくなる懸念があります。
<参考・参照元>
日本の公的年金は「賦課(ふか)方式~どうして積み立てておけないの? いっしょに検証! 公的年金 | 厚生労働省

  • 介護労働力の不足
人口オーナス期に突入し、全体的な人口も減少し続けています。2050年には人口が1億を切ると予測されており、労働力の供給は急務です。
全体的な労働力の中でも高齢者をサポートする介護労働力の不足は特に深刻な問題です。厚生労働省によると、2012年度の介護職員の人数は推計で149万人、2025年には200万人を超えると予測していますが、介護職は「夜勤があってきつい」「給与水準が低い」というマイナスイメージがあり、雇用確保が難しい状況にあります。
<参考・参照元>
介護人材の確保について|第1回福祉人材確保対策検討会(H26.6.4)資料2(PDF)

AIは2025年問題を救えるか?

こうした労働力不足の問題を解決するために必要と考えられているのが、「海外からの移民」「女性」「高齢者」の活用とされています。そして、第四の労働力として注目されているのがAIです。今までも産業用ロボットは“3K”といわれる仕事を人間の代わりに担ってきましたが、介護においても入浴介助など介護者の体に重い負担がかかる部分をロボットが補うことも増えています。
AIの活用が進むようになれば介護ロボットがより自律的に働くことができ、将来的には医療現場においての診断の補助などもできるようになるでしょう。

AIは仕事を奪う?補う?

AI活用の不安として常に挙げられるのがAIが今ある仕事を奪ってしまうのではないかということです。
WIRED誌創刊編集長で、テクノロジー界の思想家的存在であるケヴィン・ケリー氏は、AIは人間に新しい仕事を生み出すとして以下のように述べています。

“今はAIの真価を認められないかもしれないが、私たちの孫世代は私たちが想像もつかないような仕事をしているだろう。AIが安価で使いやすくなるにつれて、新たな仕事やチャンスがどんどん増えてくる。人類が過去に人工的パワーを手にしたことと同じような変化が、人工的マインドを利用することによって訪れるのだから、本当に大きな変化だ。”
引用元:ケヴィン・ケリー、「人工知能の未来」を語る - インターネット | 東洋経済オンライン

200年前のアメリカでは70%の人が農作業に従事していましたが、今や1%となっています。農作業が機械に置き換えられたことで、現代の人々は200年前には想像すらできなかった仕事に従事していて、これと似たような現象が今後加速度的に進んでいくと見られているのです。

介護労働力がロボットにより補われることで、人間がより“オイシイ仕事”に携われる未来に、今後希望が持てそうです。後編では現在、高齢化社会でAIをどのように活用しようとしているのかを詳しく見ていきたいと思います。

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