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2014年に発表された、2010年の国税調査に基づいた試算、いわゆる「増田レポート」では「2040年までに896の市町村が消滅する」とされており、大変ショッキングな内容のものでした。そしてこのレポートを背景として、2014年12月には安倍政権による地方創生への総合戦略が打ち出されたのです。
このように様々な課題を抱える地方においては、現在IoTの活用が注目されはじめています。IoTによって、地方が抱えている問題を打破することができるでしょうか。


全市町村の半分が消える?!

冒頭でご紹介した増田レポートは、元総務大臣で2016年の東京都知事選にも出馬した増田寛也氏を座長とした「日本創成会議」の中の人口減少問題検討分科会が発表したものです。
このレポートによると、地方繁栄の鍵を握るのは20~39歳若年女性人口です。2040年までには若年女性人口が5割以上減少し、人口1万人未満の自治体は消滅する可能性が高いとしています。
その対象となるのが896の市町村であり、これは全国市町村約1,800のうちの約半分にあたります。
<参考・参照元>
「選択する未来」委員会提出資料 人口減少問題と地方の課題(PDF)

もっともこの試算に関しては反論もあります。京都大学教授の岡田知弘氏は、東日本大震災以降活発となった若者の田園回帰の動向や、移住サポート・教育支援などで人口増加に転じた自治体について勘案していない等の指摘をしています。

人口流出を解決する施策とは

地方の抱える問題は、「人口流出・減少」「少子高齢化」という日本全体が抱える問題とリンクしているといえます。
地元に拠点がある大手メーカーの工場閉鎖や海外への相次ぐ移転、教育機関や仕事の減少により若年層が都市部へ流入するという動きが続いています。この流出に歯止めをかけるためには、次のような“3K”の対策が必要になるでしょう。

  • 環境(行政サービス)
その地方の行政サービスを充実させることで住む人の「幸福度」を向上させ、「住みやすい」環境を整備。
  • 観光
観光の面からその土地の魅力を感じてもらうことできっかけを作り、人口流入を促進。
  • 雇用
地域ブランドの魅力を再構築し、既存企業・農家等を活性化。また、企業誘致を行うことで雇用を創出。

まずはその地域に住む人々の満足度を上げること、そしてその地域の良さをリアリティをもって他の地域の若年層に訴えていくことが、地方創生のカギになりそうです。

IoTは地方を救う?!

地方の成長に必要な3K(環境・観光・雇用)の施策として、現在IoTを活用することが注目されていますが、その理由は次のようなことにあります。

  • 都市間格差がない
従来は会社に毎日通うという働き方が普通でしたが、インターネットがどこでもつながるようになっている昨今では、都市部、地方問わずリモートワークが可能となっています。つまり、都市部の必要としている仕事やサービスは地方からも供給できるという状況になっているのです。

  • 第一次・二次産業と親和性がある
農業や漁業においてもIoTの活用が活発になっています。すでにセンサーによって農作物の管理の精度が上がり、省力化に成功したことで、生産性向上に成功した事例が数多くあります。こうした第一次・二次産業が多い地方では恩恵も大きくなるでしょう。

  • 医療や介護においても柔軟な対応が可能
市町村によっては医師が不足している地域もあります。また、病院や介護サービスを利用するにしても自宅からかなり距離があることも珍しくありません。増え続ける高齢者に対して遠隔診断や見守りなどにIoTの威力を発揮できるでしょう。

  • 実証実験がしやすい
地方ではドローンの実証実験が多く行われており、積極的な受け入れ体制をとる自治体も多くあります。都市部と比べ規制も緩く、先進的な取り組みの実証実験がしやすい環境であるといえます。

「あったらいいな」ではなく、切実な課題の解決策としてIoTが貢献するためにはどのように活用していけばよいのでしょうか。後編では、環境・観光・雇用の面でIoTの活用を進めている自治体の事例をご紹介します。

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