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グルメサイトが過渡期を迎えています。あふれる飲食店情報を見やすくするために、あえてターゲット層を絞ったり、即予約をできるようにしたりとサービスにも変化がみられます。このグルメサイト戦国時代に登場したのがAIを活用したチャットボットによるサービスです。乱立しているグルメサービスのなかでキラリと光る存在になれるのでしょうか。


グルメサービスのこれまでの変遷

日本のグルメサービスで最も歴史があるのが1996年に開設したWebサイト「ぐるなび」です。当時は「Windows95」が熱狂的に受け入れられたものの、ネット接続はまだモデムが中心で、飲食店に限らずホームページを持っている企業は少数派でした。
ぐるなびは、飲食店側が必要な情報を入力することで“店のホームページ代わり”としての情報提供が容易にできるように、飲食店用に管理画面を用意しました。

その後、フリーペーパーからWebへシフトした「ホットペッパーグルメ」が複数のメディアに掲載する戦略をとり、ポータルサイトへ多くの配信することでWebサイトへのアクセス数を増やしました。

ここまでご紹介したサービスの収益構造は、掲載店から掲載料をとる方法だったのですが、現在最もユーザーの多い「食べログ」が業界に新たな風を吹き込みました。食べログはではユーザーの意見をそのまま掲載していく形をとっているため、店舗側から掲載料を取ることはできません。しかし、食べログでは課金方法に独自の工夫を加え、飲食店とユーザーの両方から有料サービスを利用してもらうことに成功しました。
クチコミサイトの弱点であった収益化に成功し、やらせや誹謗中傷のような悪質なクチコミを巧みに押さえるノウハウをもつ食べログでは、ユーザーが自由度の高い発信ができているため、情報の質が良いと評判になり、現在最も多くのユーザーを抱えるに至ったというわけです。
<参考・参照元>
飲食店が知っておきたい「グルメサイトの歴史」 : TORETA(トレタ) ブログ

転換期を迎える「検索型サイト」

しかし、ここへきてこれまでの検索型サイトが限界を迎えている様子がみてとれます。というのも、増え続ける情報から「自分の探したいものに絞り込めない」という問題が挙がっているのです。
例えば「渋谷 イタリアン」で検索すると、渋谷でイタリア料理を食べられるお店は検索できますが、高級レストランも大規模チェーンの店も同時に大量に表示されてしまうため、本当に欲しい情報を探すのに膨大な時間を費やしてしまう場合があります。
そのため、最近ではターゲット層を絞り込んだサイトやまとめサイトが数多く誕生しています。また、検索サイトでは操作の手順が多いと感じている若い世代においてはインスタグラムやツイッターで行きたい店を探す傾向にあるようです。

パーソナルAIがおすすめレストランを提案!?

そんななか登場したチャットボットによるサービスは、個人の好みを学習し、その人にあったレストランを提案するサービスを目指しています。そうしたサービスのひとつが、「SENSY bot」です。2016年11月にはベータ版として東京のレストラン案内の提供を開始しました。「1人1台の人工知能プラットフォーム」として、その人の好み、話し方を学習しながら味覚を解析し、パーソナルAIを育てていきます。SENSY botの開発元であるカラフル・ボード株式会社は2011年創業のベンチャー企業です。同社は、ソフトバンク、日本アイ・ビー・エムが運営するIBM Watsonエコシステムパートナーとして、SENSY botに「IBM Watson 日本語版」のAPI「NLC(Natural Language Classifier、自然言語分類)」を利用しています。ビッグデータからAIを活用して分析するアプローチをとる企業が多いなか、個人のデータや行動を分析して個人を理解することで産業への影響を測るというアプローチをとっている点が新しいといえます。
NLCはディープラーニングを使って開発されており、会話や文章を解析してカテゴリに分類します。ユーザーが用意したデータをもとに、対話した内容がレストランの味のことなのか、値段のことなのかなどを分類します。
今後は育てたAIが他人のSENSY botと会話できるようになる時代がくるのだとか。例えば彼女の好みにぴったりのレストランを彼女のSENSY botから学習するといったことができるようになるかもしれませんね。
<参考・参照元>
あなたに合った東京のレストランを人工知能がオススメ! IBM Watsonを活用したチャットボット「SENSY bot」をカラフル・ボードが発表|ロボット情報WEBマガジン ロボスタ

今までは、自分の欲しいものは自分で探すという行動を取っていた私たちですが、これからはAIがユーザー個人を理解して提案する形態が主流になるかもしれません。これを実現するためには、AIが、多様化している個人の在り方をどれだけ理解し、寄り添うことができるかどうかにかかっています。