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自動車産業界に押し寄せる車のIoT化。日本で自動車製造業の出荷額は主要製造業の約2割を、雇用人数は全体の約1割を占めています。生産体制のグローバル化が進む中で、長年続いた円高に耐え地道に体力をつけてきた、日本の産業を牽引する業界でもあります。ディーラーや保険会社なども含めて裾野が広く、市場規模が大きい分野だけに、IoT化による変化の波も大きくなっています。
具体的にどのような変化が起こっているのか見ていきたいと思います。


IoTがもたらす変化とは?

そもそも、IoTがどのような変化をもたらしているか、また、自動車産業へどのような影響があるのかみていきましょう。

  • 「モノの所有」から「サービスの利用」へ
IoTにより、個々のモノがインターネットで社会とつながり、モノを所有する従来の形態からモノを通じたサービスの利用へと変化し、「シェアリングエコノミー」の普及も進んでいます。
自動車産業においても、配車サービス大手、米Uberの「ライドシェア(相乗り)」に象徴されるように、自動車の所有から利用へと形態を変えることで車の稼働率を上げています。2016年には、トヨタ自動車がUberと配車サービスとリースで提携し、海外での事業展開をはかっています。Uberのサービスを利用するドライバーに、トヨタの自動車をリースし、ドライバーの収入からリース料金を支払うという仕組みです。このトヨタの動きに関しては、規制に守られたタクシー業界からの反発が強く、「日本国内では協業しない」という異例の釈明を行いました。
もっとも、海外ではアメリカのGM、ドイツのフォルクスワーゲンなどが相次いで配車サービス会社と提携しており、今後もこの流れは強まるものと予測されています。
<参考・参照元>トヨタのUber提携にタクシー業界から批判噴出…全タクシー車両トヨタ化計画に暗雲

  • 製販構造の変化
自動車産業は、製造は自動車メーカー、販売はディーラーという製販分離という体制をとってきましたが、ディーラーが持っている詳細な顧客情報をメーカーとうまく共有できていないという問題があり、商品開発に顧客の声を活用するということが困難な状況です。
中国では、自動車メーカーがネット通販大手のアリババグループのオンラインショッピングモール「天猫商城(Tmall)」に出店する動きが強まっています。イタリアの高級自動車ブランド「マセラティ」のフラッグシップ店を天猫に開設し、SUV「レヴァンテ」(約1,700万円)100台をわずか18秒で完売しました。このように、自動車メーカーがオンラインショッピングモールを通じて直販のルートを作る、または、モールからディーラーに誘導して顧客データを獲得する動きが強まっています。
参考文献:週間東洋経済2016年9月17日号
<参考・参照元>超高級車「マセラティ」、天猫に出店 わずか18秒で100台完売

  • IT企業の参入
自動車がIoT化するにあたっては、大手IT企業がその強みを生かし、技術供給だけでなく、自社で自動車の開発に踏み込み、今後の自動車業界を牽引していく可能性があります。
Appleは「プロジェクト・タイタン」としてEV(電気自動車)や自動運転の研究を進めており、「iCar」をリリースするともいわれています。
このiCarについては具体的な発表がされておらず、噂が絶えない状況です。しかし、もしこれが実現した場合は、iPhoneのようにメーカー直販が実現するため、今後の自動車業界の構造を大きく変える原動力になるでしょう。
<参考・参照元>アップルのiCar、テスラの電動SUVに対抗し発表か?

このように市場が大きい分、夢も膨らみますが、一方でこうした変化が産業全体を縮小させるリスクもあります。ライドシェアサービスは車の所有が少なくなる分、販売台数も縮小するともいわれており、老舗自動車メーカーの今後の動向も気になるところです。いずれにしてもIoT化が最も進むであろう分野だけに、今後の流れにも注目です。

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