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宇宙開発というとかつては国家主導というイメージがありましたが、現在は民間企業が参入する環境が整いつつあります。産業として認識されてきたのもごく最近ということで、この分野はまさにビジネスチャンスの宝庫。従来は距離があると見られたIoT、ビッグデータ、ロボティクスの活用も活発になってきています。
IoTの側面からみた宇宙ビジネスの可能性についてご紹介します。


2010年代は第三次宇宙ベンチャーブーム

2010年代は第三次宇宙ベンチャーブームとも言われ、宇宙ベンチャー企業が急増。アメリカでは3,000社ほど存在するとも言われています。
<参考・参照元>宇宙入門! 第3次宇宙ベンチャーブームがやって来た

第一次ブームは1980年代のこと。アメリカのハーバード・ビジネス・スクールの卒業生が起業したオービタル・サイエンシズが代表格です。現在はアライアント・テックシステムズの航空宇宙部門の対等合併によりオービタルATKが設立され、売上高数千億円の上場企業に成長しています。2016年には自社が製造を手がけた無人補給船を搭載したロケット「アンタレス」の打ち上げに成功しています。
<参考・参照元>米NASAの補給ロケット、2年ぶりに打ち上げ成功

第二次ブームは2000年代前半でITの活用が進みました。電子決済サービスPayPalの創始者であるイーロン・マスク氏の設立した、「アメリカのスペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(スペースX)」が成功したことなどが第二次ブームをもたらす要因となりました。2016年には4,425個の衛星を打ち上げる計画を申請し、地球のほぼすべての地域で高速インターネットの利用が可能になることを目指しています。
<参考・参照元>スペースX、世界にネットを届ける「4,000個の衛星」打ち上げを申請

スペースXの一番の功績は、宇宙へのアクセスが身近になったことです。低コストのロケットを実現することで民間企業の参入障壁を下げ、小型衛星専用のロケット製造を中心とした第三次ブームを牽引しました。宇宙へのアクセスがさらに容易になったことで、宇宙のデータを活用するサービスも今後増えていくとみられています。

第三次宇宙ベンチャーブームの背景とは

このブームの背景のひとつには、国家予算の限界により民間企業の参入が促進されたことがあります。すでにNASAでは国際宇宙ステーション(ISS)への物資や宇宙飛行士の輸送を民間企業に委託しています。日本でも2016年に「宇宙活動法」と「衛星リモートセンシング法」が成立しました。宇宙活動法では民間の参入を促進するために、ロケットの打ち上げ事業1回ごとに政府が許可することを定めています。
そして、衛星の小型化により製造の簡易化、低コスト化が進み、小規模企業も参入しやすくなりました。東京大学の中須賀真一氏が開発した「CubeSat XI(キューブサット・サイ)」はなんと10cm立方、重量は約1kg。2003年に初めて打ち上げを行った時は、スーツケースに入れて持っていったというほど小さい衛星です。
<参考・参照元>「超小型衛星による宇宙開発への挑戦」

宇宙ビジネスへのIoT活用例とは

こうしたブームにおけるIoTの側面としては、「リモートセンシングとそのデータの活用」があげられます。月面無人探査レース「Google Lunar XPRIZE」に日本から唯一参加しているチームHAKUTOは、開発した月面探査ローバー「Moonraker」を搭載したロケットの打ち上げ計画を発表し、IoTデータコントロールのベンチャー企業であるJIG-SAWとIoT分野におけるパートナー契約を締結しました。今後JIG-SAWは、月面探査にかかわるIoTビッグデータの解析などのサポートを行う予定です。
<参考・参照元>月や小惑星における水などの資源探査を目的とする自律制御ロボット『宇宙群ロボット』の共同研究開発を開始

また、アクセルスペースでは「Axel Globe(アクセルグローブ)」という構想を持っており、超小型衛星「GRUS(グルース)」を2022年までに50基打ち上げ、地球上のほぼ全地域の観測を目指しています。これにより、写真はもちろんのこと、写真から解析したデータも得られるので、例えば“ある地域の都市化の進行状況”といった詳細なデータも提供が可能となります。
<参考・参照元>50基の人工衛星で新時代のインフラを作る/アクセルスペース代表 中村友哉

2016年時点で日本での宇宙ベンチャー企業は10社ほどといわれています。まだまだ黎明期で勢力図も描くことができない日本の現状はチャンスが無限大にあるといえます。今後の宇宙ビジネスの展開にワクワクしそうです。

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