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さまざまな活用シーンが期待されるAI技術。クラウドAIによって、利用の裾野が広がっていくと見られています。そこで、すぐに使えてイノベーションにもつながるクラウドAIの特徴をベンダー別にご紹介したいと思います。


  • 自然言語処理に強みを持つIBM Watson
AI分野では一歩リードしているWatson。IBM事実上の創業者トーマス・J・ワトソンに由来するこのWatsonには、アメリカのクイズ番組でクイズ王に勝利したことが有名な質疑応答システム「DeepQA」などの中核機能と、PaaSであるBluemixで開発者向けにWatsonの一部を提供している機能があります。DeepQAは特定のクライアントのみ提供しているため、クラウドAIというとBluemix上で提供している機能が該当します。自然言語処理の機能が充実している反面、日本語に対応したサービスが少なかったのがデメリットでしたが、ソフトバンクとの協業により日本語版Watsonの提供を開始し、IBM Watson日本語版ハッカソンも大いに盛り上がりました。今後は日本語に対応したサービスが増えてくることが期待されます。

  • 多様なアルゴリズムを選択できるAzure Machine Learning
マイクロソフトはディープラーニングの研究に資金を投じています。米シアトルのタコマ国立高等学校で人工知能を活用した教育システムを構築し、その結果、卒業率が55%から78%までに高まったといいます。また、人気ゲーム「Minecraft」を利用したAI(人工知能)のテスト環境を解放するなど、AIの普及に向けて意欲的な取り組みを続けています。そんなマイクロソフトのAIである「Azure Machine Learning」は分析手法の多さやアルゴリズムの多様さに利点があります。パターン認識モデルのひとつであるサポートベクターマシン、人間の思考回路の仕組みをモデルにしたニューラルネットワークなど、旬のアルゴリズムも選択でき、予測の精度を高めることができます。機能が多い分、使いこなすまでには経験を積む必要があり、時間がかかります。

  • 初心者に最適Amazon Machine Learning
世界一簡単といわれるAIツールが「Amazon Machine Learning」です。予測分析に特化しており、実証済みのMLテクノロジーに基づき、二項分析、多項分析、回帰分析の3つに限定され、アルゴリズムも選択できませんが、RedshiftなどのAWSの既存データベースからデータを簡単に取り込めるため、既存のAWSユーザーであればすぐに機能を使うことができるのがメリットです。APIの使用回数に応じて課金されるため、大規模なECショップでページを表示するたびに呼び出しが必要なAPIの場合は、コストで見合わないという欠点もあります。

  • Googleサービスを自社開発にCloud Machine Learning
クラウドでは今一つ存在感がなかったように見えるGoogleですが、2016年3月に開催されたGCP NEXT 2016でクラウドベースの機械学習プラットフォーム「Cloud Machine Learning」を提供することを発表しました。Googleのサービスを支える音声認識用API「、提案機能、画像分析APIなどの機能を一般ユーザーが利用できるようになりました。また、ビッグデータを解析する機能もあります。発表されたばかりで機能の評価というのはこれからとなりますが、2016年3月にはGoogle Cloud Platformの日本国内リージョン開設も発表されており、使い勝手もよくなりそうです。

  • 目的特化型AIの出現
こうして大手ベンダーが次々にクラウドAIを提供するなか、目的に特化したAI技術を提供するベンダーも出てきました。三菱電機とNTTコミュニケーションズは監視カメラを活用したソリューションの展開を発表しました。三菱電機の映像撮影や映像解析の技術とNTTコミュニケーションズのクラウドサービスやAI技術を組み合わせて、映像に移った人間が「キョロキョロしている」「しゃがんでいる」などの動作を検知できるようにすることで防犯対策の域を超えた介護見守りサービスや遠隔保守など、防犯カメラの用途を広げる取り組みを行っています。

このようにAIによって今までできなかったことが実現できることで用途を広げたり、まったく新しい製品を生み出すなどの可能性を秘めています。とかくAI技術は導入対効果が見えないと言われがちですが、クラウドAIでお手軽に導入し、効果を見ることができるので、低予算でイノベーションを実現することができるのではないでしょうか。今後のクラウドAIの機能充実にも期待がかかります。

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