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11月16日、沖電気工業(OKI)と日本IBMは地方創生分野で協業し、地方自治体向けに各種クラウド・ソリューション・サービスを提供していくことを発表しました。今回の協業は、地方創生を飛躍的に前進させる可能性があります。クラウド・サービスを地域活性化の面から考えてみます。

問題が山積みの地域問題

深刻な少子高齢化に突き進んでいる日本ですが、まだ決め手となる解決策を見出すことができていません。事態を重く見た政府は、2014年9月に「まち・ひと・しごと創生本部」を設置。人口減少に歯止めをかけ、東京一極集中を是正し地域におけるワークライフバランスを確保していく方針を打ち出しました。このときから「地方創生」というキーワードがよくメディアに登場するようになったのは、ご存知の通りです。

とはいうものの、少子高齢化や地方創生ほど対策が難しい課題はありません。なぜなら、単純な問題がひとつあるのではなく、さまざまな要因がからまり合っているからです。以下、例を挙げてみます。
1 地域活性化のためには、人手が必要。
2 しかし、その人手がいない。
3 じゃあ、魅力的な町にして、若い人に移住してきてもらおう。
4 そのためには予算がかかる。
5 しかし、そんなお金はない。
6 結局、地域活性化なんて無理!

おそらく、多くの自治体がこうした堂々巡りを繰り返していると思います。やはり問題解決のためには、これまでの発想では限界があります。

「横の連携」が苦手な自治体組織

さらに自治体特有の組織体制が、改革や変化を進みにくくしています。一般的な自治体は、納税課、広聴広報課、健康保険課、観光課、防災室、市長室といった感じで別れています。日本には長い官僚組織の歴史があるため、組織作りがとてもしっかりしているのですが、逆に「横の連携」や部署間の情報共有というのが苦手です。昔に比べれば減りましたが、「部署をたらい回しにされる」という経験は誰にでもあるでしょう。

この組織体制にはもうひとつ問題があって、公務員の数が減少すると極端に動きがにぶくなる点です。現在、人口減少や世論の影響から、公務員の数は削減傾向にあります。しかし、数が減っても組織は以前のまま存在するため、一人当たりの業務量が膨大になります。わかりやすいのは学校の先生ですね。授業・部活の指導・テストの問題作成・成績管理、生徒の生活管理など、先生一人がこなせる量をはるかに超えており、現場が悲鳴を上げているのはよくニュースになっています。こうした問題は今後、どの自治体、公務員組織においても起こりうるのです。

期待大の「地方創生クラウド・サービス」

こうした問題の解決にICTやクラウド技術はとても効果的です。11月16日に沖電気工業(OKI)と日本IBMが協業を発表したクラウド・ソリューション・サービスについて見ていきます。

OKIは日本IBMと協力して、「地方創生クラウド・サービス」というものを運営(2016年4月より提供予定)。地方自治体は、これを使うことで必要なときだけサービスを選択・利用することができるようになります。つまり、システム開発に大掛かりな予算を組んで、時間をかける負担が大幅に減るということです。

例えば、「地方創生クラウド・サービス」の遠隔医療システムを利用すれば、病院の少ない地方でも医療・介護の充実や少子化対策などにつながります。また、ジョブマッチングや地域雇用情報データベースに利用すれば、地域産業の活性化、雇用の創出などにつながります。その他にも、市民サービスの向上、防災・減災対策、観光振興などへの利用も可能です。

なお、OKIが開発するシステムやアプリケーションは、日本IBMが提供するSoftLayer上で提供されます。ベアメタルサーバー、仮想サーバー、ストレージ、ロードバランサー、ファイアウォール、ネットワークサービスなどSoftLayerの全サービス、さらにはIBMのクラウドプラットフォームBluemixを活用し、安定性とセキュリティを備えたインフラ構築に取り組んでいくことが発表されています。

この「地方創生クラウド・サービス」が浸透すれば、最低限の人手でも組織運営が可能になるばかりか、データベースが確立されることで部署間の情報共有も可能になります。これまで自治体が苦手としていた「横の連携」が進むことが期待できるのです。

それだけではありません。SoftLayerで動いているその他の自治体システムとも連携しやすくなるのです。そうなればノウハウを共有化したり、足りないものを他の自治体が補うとうこともできるようになるかもしれません。
参考:今、全国で広まる「自治体クラウド」。その実態とは。

日本の未来は、少子高齢化によって人口もマーケットも縮小することが確実になっています。そうした時代においては一人・一社・一自治体ができることは本当に限られています。ですから、どうしても協力・共有・シェアといったことが必要になってきます。ソーシャルメディアがこれだけ浸透しているのも時代の流れでしょう。そして、クラウド・サービスによるシステム共有もまさに時代の流れといえます。これらの技術が支える地方創生に期待したいところです。